長年サラリーマンをやっていると、一定ルールの上で行われている事象に対して疑問を抱くことを忘れ、結果として無意味なことを継続しているだけだったことに気づく時がある。
その一例として、多くの会社・サラリーマンに該当するのが「朝礼のスピーチ」だ。
今回は、「サラリーマンあるある」として無意味な朝礼とは何かをまとめつつ、求められる本質に関して意見を述べる。
「うちの会社のことだー」と思った人は、是非読み進めてもらいたい。
多くの会社に発生している形骸化した朝礼スピーチ概要
「朝礼スピーチ」を実施する単位・タイミングは会社・所属部署により異なると思うが、「朝礼スピーチ」で実施する大まかな流れは同じだろう。
- 自分に起こった出来事・印象に残ったニュースなどの話
- そこで気づいたこと
- 普段の仕事にどのように活かしていくか
これがどの会社でも適用される王道の朝礼スピーチ。
そして、この王道の流れが形骸化しており、朝礼スピーチの狙いが達成できていない会社・部署が最近は多くなってきているのではと私は感じる。
何が形骸化したかというと、
上記の②・③にあたる「気づいたこと・活かすこと」の内容が薄すぎるのだ。
極端な具体例を書くと
- 原料の高騰で電気代が上がってる
- 様々な節約方法を調べるようになった
- 会社でも出来る節約があると思うので実施してみたい
こんな感じ。
めちゃめちゃペライ。
この現象は当社に限らず、私が接している別の会社・サラリーマン仲間にも多くみられる状態。
非常にまずい。
極端な具体例の朝礼スピーチの改善点
先に記載した「極端な具体例」は、抽象的過ぎて、その事実の重要性は何で、そこから何を感じ、どのポイントを仕事に活かすのかが、一切語られていないことが問題だ。
枕詞をすべて抜くと、
電気代やばい
いろんな節電方法あるらしいよ
会社でも使える節電方法があるかもよ
ということを言っているだけ。
朝礼スピーチの本質を一つも満たしていない「単なる時間の無駄遣い」
これはもう井戸端会議かTwitterで書いとけばと思う内容。
一昔前であれば、このようなスピーチの後に当人へ上司・同僚が指導し、次回の改善を期待するところだ。
しかし、コロナ禍を経た現在は、同じ部署・課内であってもコミュニケーションの機会・手段が不足し、「悪くはないけど。。。」程度で終わらせる傾向が強い。
これは、仕事とプライベートを切り分けて考える現代人・若い世代が悪いのではない。
諸悪の根源は、「本質を伝えることの放棄に気づいていない」中高年・上職者の姿勢なのである。
「バブル世代は仕事をしない」・「Z世代は常識が無い」等という言葉をよく聞くが、その中間に属する「中高年サラリーマン」が「面倒毎を無意識に回避している傾向がある」ことに大きな課題があると私は思っている。
中高年サラリーマンは本質を端折りがち
私自身もこの「中高年サラリーマン」に属すのだが、この人種は傾向として
- 効率を求める
- 面倒毎は抱えたくない
- 仕事が全てではない
という考え方を持つ人が多いと思っている。
それは、「バブル世代」が仕事をしない・出来ないので、そのしわ寄せがをすべて受けてきており、単純に忙しい。
パワハラ・セクハラ等のハラスメントが社会問題になり、個人の想いを社内・同僚・部下に向け辛くなった。
そして、「Z世代」の仕事とプライベートを分離する考えも理解できるので、仕事論を語ることが躊躇われる状態。
という環境下を過ごしたゆえに、業務に直接関係すること以外の指導を端折ってしまう雰囲気が出来上がった。
「中高年サラリーマン」って余計な事を言い過ぎてはいけない空気感で育った「気苦労サラリーマン」なんだよね。
そんな世代が主力になっている企業では、その象徴が「朝礼スピーチの形骸化」に表れていると私は感じている。
朝礼スピーチの本質を今一度見つめ直そう
では、多くのサラリーマン・企業が見失っている「朝礼スピーチの本質」とは何か。
冒頭に記載した王道の流れ(下記3点)から仕事に活かせる気づきを得ることだが、その本質を更に深堀していきたい。
- 自分に起こった出来事・印象に残ったニュースなどの話
- そこで気づいたこと
- 普段の仕事にどのように活かしていくか
この王道の流れを実施するだけでは、
言葉遊びが上手い人 = スピーチ上手
という評価になってしまう。
そうではないのだ。
企業活動において、組織で行動することにおいて、「朝礼スピーチ」に求めることは、
日々起こること・知ったことをどう受け止めるかによって人は成長できる
この目的を実現するためだ。
そして、我々サラリーマンの考え方・受け止め方として、
- 仕事の延長で他人に言われたことは、身に染みないことが多く、そのほとんどが無駄になっている。
- その反面、普段の生活から「自らの発見」で仕事に活かせると気づいたことは、己の糧にしようとする。
人間とはめちゃくちゃ自分勝手な生き物。
そんな自分勝手な生き物に、考え方・受け止め方を自然に習得させることが「朝礼スピーチ」の本質なのだ。
その為、形骸化した現状は、負の連鎖を生み続けることになるだけなので、何よりも優先して改善すべきこと。
「朝礼って無駄だよね」と思う環境が出来上がっている現在だからこそ、本質をきちんと理解し合って「己を磨く」ことの考え方を養うために必要な機会として、「朝礼スピーチ」が前向きに活用されるようになって欲しい。
最後に
ここまで記載した内容は、私個人が普段生活している中で感じたことであり、それをどう受け止めて、どう行っていったら良いと思ったことをまとめた内容だ。
何が言いたいかというと、私にとってこれが「朝礼スピーチ」なのである。
この話ならば「本質」を網羅した内容になっているはず。
そして、この内容を実際に「朝礼スピーチ」で話をしたいと思っている。
ただ、我が社の「朝礼スピーチ」は3分程度という時間制約があるで、すべてをきちんと話せるかは微妙。
普段の生活から「自らの発見」で仕事に活かせると気づいたことは、己の糧になりがち。
という最重要キーワードを絶妙なタイミングで盛り込み、この想いを伝えていければと思う。