iPhoneとAndroidの間で写真を送るためだけに、別のチャットアプリへ誘導する手間はかなり減った。ドコモのiPhoneがiOS 27でRCSに対応し、au・ソフトバンクを含む国内主要3社で、標準のメッセージアプリを使った相互のRCS送受信が可能になったからだ。
ただし、緑の吹き出しがすべて無料になるわけではない。相手がRCSを使えなければSMSへ切り替わり、送信料が発生する場合がある。まず設定と送信欄の表示を確認する。この一手間を省くと、便利になったはずの機能で地味に課金される。スマホらしい罠である。
iPhoneとAndroidのRCSが国内主要3社でつながった

Googleは2026年9月16日、ドコモのiOSデバイスがiOS 27から標準メッセージサービスのRCSに対応したことで、ドコモ・KDDI・ソフトバンクの主要3社においてiPhoneとAndroid間のRCS送受信が可能になったと発表した。
RCSはSMSの後継規格で、電話番号を宛先にしながら、テキストだけでなく写真や動画、音声、リアクションなどを扱える。新しい会員登録やID交換をせず、連絡先にある電話番号から始められる点が強い。
今回の価値は派手な新アプリではなく、相手の機種やキャリアを気にする場面が一つ減ったことにある。家族の端末が混在している家庭ほど恩恵が大きい。
高画質写真・既読・入力中表示が使える

RCS同士なら、高解像度の写真や動画、リンクの送信、配信証明、開封証明、入力中インジケーターを利用できる。従来のSMSより情報量が多く、集合場所の写真や長いURLを送る場面でも扱いやすい。
既読表示は万能ではない。Googleの案内では、相手側も既読通知をオンにしている必要がある。既読が出ないから届いていない、と即断するのは早い。設定の違いを人間関係の問題にまで育てる必要はない。
iPhoneではRCSもSMSやMMSと同じ緑色の吹き出しで表示される。色だけでは判定せず、入力欄にRCSと表示されるかを送信前に見るべきだ。
料金は無料でもSMSへの切り替えに注意

ドコモのRCSは申し込み不要、月額使用料無料で、RCS同士の送受信料も無料だ。ただしデータ通信量は消費する。Wi-Fiまたは契約中のデータ通信を使うため、動画を大量に送れば当然ながら通信量は増える。
重要なのは、相手がRCSを利用していない場合だ。このときSMSとして送信され、送信者にSMS送信料が発生する場合がある。ドコモの+メッセージ案内ではSMSは1通3~33円(税込)とされている。
1通なら小額でも、長文を分割して何度も送れば積み上がる。私は「緑だから無料だろう」とは判断しない。送信欄がRCSになっているか確認し、SMSなら短文にするか別アプリへ切り替える。数秒の確認で余計な出費を避けられる。
iPhoneでRCSをオンにする手順

iPhoneでは「設定」→「アプリ」→「メッセージ」→「RCSメッセージ」の順に進み、RCSをオンにする。Appleは、初回にオンにした際は有効化までわずかな遅延が生じる場合があると案内している。
- iPhoneをiOS 27以降へ更新する
- 「設定」から「アプリ」を開く
- 「メッセージ」を選ぶ
- 「RCSメッセージ」をオンにする
- 会話画面の入力欄でRCS表示を確認する
設定項目が出ない場合は、利用中の通信事業者や料金プラン、キャリア設定の対応状況を確認する。オンにしたつもりでも相手側が未対応ならRCSにはならない。
AndroidはGoogleメッセージの接続状態を確認する

Androidでは最新のGoogleメッセージを使い、プロフィール画像またはアイコンから「メッセージの設定」→「RCSチャット」を開く。端末によっては「チャット機能」と表示される。
有効化後は接続状態を確認する。「接続中」のままなら電話番号の確認が完了していない可能性がある。アプリを最新版にし、デフォルトのSMSアプリ設定、モバイルデータ通信、SIMの状態を順に見ると切り分けやすい。
既読通知や入力中表示は個別にオフにもできる。便利さと常時反応を求められる息苦しさは別問題だ。私は仕事関係の連絡が多い端末なら既読通知をオフにする選択も十分ありだと考える。
暗号化はベータ版で全会話を保証しない

Googleは、Appleと共同で進めるAndroid・iPhone間のRCSエンドツーエンド暗号化をベータ版として順次提供している。Appleの案内でも、対応する通信事業者で順次利用可能になり、対応環境では既定でオンになるとしている。
ここは「RCSなら必ず暗号化済み」と読み替えてはいけない。ベータ版かつ順次提供であり、相手の端末、OS、通信事業者によって状態が異なる可能性がある。重要な機密情報やパスワードを送る用途には使わず、会話の詳細画面で暗号化表示を確認するのが安全だ。
便利になったことと、無条件で安全になったことは同義ではない。この線引きは残しておきたい。
+メッセージとRCSはどう使い分けるか

ドコモは+メッセージも引き続き利用でき、標準メッセージアプリとして設定できると案内している。スタンプや公式アカウントを重視し、家族全員がすでに+メッセージへ揃っているなら、急いで移る理由は薄い。
一方、AndroidはGoogleメッセージ、iPhoneは標準メッセージのまま機種をまたいで連絡したいなら、今回のRCS拡大が分かりやすい。新しいアプリを家族へ説明し、インストールさせ、IDを交換する作業が不要だからだ。
普通に働く会社員にとって、機能が一つ増えることより「相手へ説明しなくて済む」価値の方が大きい。私なら標準アプリのRCSを基本にし、相手がSMSへ落ちる場合だけ普段使う別のチャットアプリへ逃がす。
今すぐ設定すべき人と見送ってよい人

家族や仕事相手にiPhoneとAndroidが混在し、電話番号で写真や地図を送る人は今すぐ設定を確認する価値がある。月額料金を追加せず、連絡時の小さな摩擦を減らせるためだ。
- 今すぐ確認:異なるOS間で写真や動画を頻繁に送る人
- 設定後に様子見:既読通知や暗号化の対応差が気になる人
- 見送りでよい:連絡先全員とLINEなど一つのアプリで完結している人
「みんな別アプリを使うから不要」という反論も分かる。ただし、配送連絡や久しぶりの相手など、電話番号しか知らない場面は残る。RCSは主役のチャットアプリを置き換えるというより、SMSに落ちた瞬間の不便と費用リスクを減らす保険だ。
私ならiPhoneとAndroidの両方でRCSをオンにし、送信前の表示だけ確認する。端末を買い替えるほどの話ではないが、無料で使える設定を放置する理由もない。
情報は2026年9月29日時点。Google Japan Blog、Appleサポート、NTTドコモ公式情報を確認して作成。提供条件や画面表示はOS、端末、通信事業者により異なる。