2026年に入り、通信業界に再び不穏な空気が漂っている。
ソフトバンクに続き、KDDI(au)、NTTドコモも、いわゆる“レンタル型”スマートフォンの返却時に22,000円を請求する仕組みを事実上固定化した。
かつては「残価設定型」「実質〇円」「2年で返却すればお得」といった言葉が並び、負担を抑えて最新機種を持てる仕組みとして広がったプログラム。しかし今回の動きにより、その前提は大きく崩れた。
多くの利用者が感じているのは、シンプルな疑問。それ、本当にレンタルなのか?
本記事では今起きている”事実”と”ユーザーの立場で思うこと”をまとめる。
「返却すれば安い」は幻想となる
これまでのレンタル型プログラムは、
・2年後に端末を返却
・端末の状態が一定基準を満たす
・プログラム継続
といった条件を満たせば残債が免除される仕組みだった。
しかし今回の22,000円固定請求は、事実上の“最低支払額”の設定とも受け取れる。
端末を返しても、状態に問題がなくても、一定額は請求される。
これでは「2年で返せば負担が軽い」という説明は成立しない。
利用者の心理としては、
どうせ22,000円払うなら、最初から一括で買った方がよいかも
ところが、かつてのような大幅値引き一括販売は影を潜めた。
総務省の規制強化により端末値引きは制限され、「一括1円」という表示も難しくなった。
その代わりに登場したのが、2年レンタル型の分割プログラムだったはずだ。
だが今や、その“代替策”にすらメリットが見えにくくなっている。
「キャリア内で機種変更すればOK」という囲い込み
さらに利用者の怒りを買っているのが、
キャリア内で機種変更すれば負担軽減という条件付きの設計だ。
これは実質的に、
他社へ乗り換えるなら22,000円。うちで機種変するなら優遇
というメッセージに等しい。
囲い込みではないのか、という声が上がるのも無理はない。
携帯市場では、乗り換えを妨げる過度な拘束は問題視されてきた経緯がある。
通信契約は本来、
・電波
・料金
・サービス内容
で選ばれるべきものだ。
それが端末の仕組みで実質的に移動を縛る形になるのは、本末転倒だと感じるユーザーは多い。
なぜ今なのか
この発表のタイミングにも違和感を抱く人は少なくない。
携帯料金引き下げを強く推し進めたのが、元首相の菅義偉だった。
菅さんが引退するタイミングを経て、先行して実施していたソフトバンクと足並みを揃えるようにドコモ・auが条件を見直した。
偶然と言い切れるだろうか。
真相は分からない。だがユーザー心理としては、
監視の目が弱まった瞬間を狙ったのでは?
と感じてしまうのも無理はない。
2年レンタルは誰のための仕組みか
本来、2年レンタル型の最大の魅力は、
- 初期負担が小さい
- 最新機種を定期的に使える
- リセールを気にしなくてよい
という点だった。
しかし22,000円が“ほぼ固定費”となるなら話は変わる。
2年で返却しても支払いは発生する。キャリアを離れれば不利になる条件。端末価格は高止まり。
これでは、
ユーザーのための仕組みではなく、キャリアが損をしないための仕組み
に見えてしまう。
それでも大手3社に残る理由
もちろん、三大キャリアには強みがある。
- 圧倒的な通信品質
- 地方でのエリア安定性
- 家族割・光回線とのセット割
特に電波の届きにくい地方や法人契約では、電波品質は最優先事項だ。
だが今回の施策は、「品質が良いから仕方ない」と思わせるラインを超えたと感じる人もいる。
何ならドコモはその回線品質さえも劣化していて、選ぶ理由が皆無に近づきつつある。
結果として三大キャリアは、
・料金は横並び
・端末施策も横並び
・そして2返却時22,000円も横並び
公正な競争はどこへ行ったのか。
唯一“味方”に見える存在
そんな中でユーザーの味方として名前が挙がるのが、楽天モバイル。
- 料金体系はシンプル
- 端末も比較的分かりやすい販売
- 囲い込み色は薄い
少なくとも「分かりにくい残価トリック」はない。
ただし最大の課題は「電波」。生活圏でつながるかが条件にはなる。
エリア問題が解決すれば、価格面では最もユーザー寄りに見える。
三大キャリアの横並び施策が進むほど、楽天の存在感は相対的に高まる。
ユーザーはどう動くべきか
怒りだけでは状況は変わらない。できる対抗策は何だろう。
- 22,000円を返却時に支払っても、本当に2年レンタルが得か計算する
- 端末はキャリアではなくSIMフリー端末を購入する(iPhoneならAppleストア)
- 中古市場を検討する
キャリアの思惑は、「端末と回線をセットで囲う」ことにある。そこから一歩離れるだけで、選択肢は広がる。
もう「実質」という言葉に振り回されない
今回の22,000円問題は、単なる金額の話ではない。信頼の問題。
「お得」と言われ続けてきた仕組みが、キャリアファーストの施策へと変貌した。
三大キャリアが横並びで動くからといって、ユーザーも横並びで従う必要はない。
通信は生活インフラだ。
だからこそ、透明性が求められる。
22,000円という数字は、単なる請求額ではない。
それは、ユーザーが“目を覚ますかどうか”を問われている金額 なのかもしれない。



