記事内に広告が含まれています ガジェット・通信

【楽天モバイル】スマホ端末(OS)標準の国内通話かけ放題(1回10分)をリリース

2021年8月28日

スマホの通信業界に価格面で新たな風を巻き起こした楽天モバイル。しかし、3大キャリアのオンライン専用プランのリリースにより窮地に立たされている。

後発の通信サービス故に通信に必要な基地局や優先的なバンドがまだまだ足りず、安定した品質を提供しているとは言い難いからである。

そんな楽天モバイルが新たな戦略としてオプションサービスをリリースした。

  • OS標準アプリでの1回10分以内の国内通話がかけ放題
  • 国内SMSの送受信が使い放題になるサービス

今回はこのオプションサービスの考察を行う。

結論としては『iPhoneユーザーであれば、検討の価値はある』だ。

10分(標準)通話かけ放題・SMS使い放題

リリースされたオプションサービスの内容は下記の通りだ

OS標準アプリでの1回10分以内の国内通話がかけ放題、国内SMSの送受信が使い放題になるサービス
本サービスの加入にかかわらず、Rakuten Linkアプリでの国内通話は無料

オプション料金 : 1,100円/月

楽天モバイル公式HPより引用

なぜこのタイミングでRakuten Linkアプリを利用した際の内容と大差がない有料のオプションサービスをリリースしてきたのか。

楽天モバイルの最大の特徴は、『0円から利用ができ、2,980円でデータ無制限となる料金体系』だ。
しかも、Rakuten Linkアプリを利用すれば通話・SMSが無料

この料金体系・サービスにオプションとして通話かけ放題・SMS使い放題をリリースする意味が分からない。

しかも、通話1回10分無料の金額設定も攻めすぎだ。

3大キャリアのオンライン専用プランであれば、

  • 5分無料がついて20GBで2,700円のahamo
  • 5分無料のオプションが550円(1年無料キャンペーン有)のLINEMO
  • 5分無料のオプションが550円のpovo

その他MVNOでも

  • 10分無料のオプションが770円のY!mobile/UQ mobile
  • 10分無料のオプションが913円のBIGLOBEモバイル/IIJmio
  • 10分無料のオプションが935円のOCN モバイル ONE

など、楽天モバイルよりも安価に通話かけ放題のサービスを提供している。

どうした楽天モバイル

Rakuten Linkアプリ(iOS版)の仕様変更

3大キャリアやその他MVNOと戦う気が感じられない『10分(標準)通話かけ放題・SMS使い放題』のオプションサービス。

このサービスをリリースした狙いは何なのか。

その答えは2021年7月に仕様変更された『Rakuten LinkアプリiOS版』の影響だ。

iOS版だけどのような仕様変更がされたかというと、

Rakuten Linkアプリを利用していない相手からの電話を着信した際に、従来はRakuten Linkアプリに着信が届いていたが、仕様変更後はiOS標準の電話アプリに着信するようになった。

という事なのである。

この仕様変更により利用者はどのような影響を受けるようになったのか。簡単な例を時系列で記載する。

  1. Rakuten Linkアプリを利用していない相手からの電話を着信
  2. iOS標準の電話アプリに着信
  3. 着信履歴がiOS標準の電話アプリに残る(Rakuten Linkに残らない)
  4. iOS標準の電話アプリにて着信履歴を確認し、iOS標準の電話アプリで電話を掛ける
  5. 通話料発生

という流れだ。

単純に上記のような場合であっても気を付けて運用すれば問題ないのだが、うっかりiOS標準の電話アプリで掛けてしまったユーザーから不満の声が上がったのだろう。

この仕様が変えられない為、代替案としての回避方法の提供で『10分(標準)通話かけ放題・SMS使い放題』のオプションサービスがリリースされたのだと推測する。

だから提供価格も今までの楽天モバイルではありえなかった、他社よりも高い金額設定なのだろう。と私は考える。

10分(標準)通話かけ放題・SMS使い放題は不要なサービスか

iOSの仕様変更を理解し、誤ってiOS標準の電話アプリで電話を掛けなければ、今回のかけ放題サービスは不要なのだろうか。

いや、状況により契約も有りだ。

その理由は2つ。

  1. 楽天回線の品質・エリアはまだ満足できるレベルではない
  2. Rakuten Linkアプリが不安定

Rakuten Linkアプリはデータ通信を使った通話になるため、回線の品質が重要になる。

この回線が不安定な場合、通話が途切れたり、音声が聞き取りにくかったり、ぶつぶつ切れたりと電話としての役目が果たせなくなる。

また、Rakuten Linkアプリ自体もまだ発展途上のようで、突然落ちたり、着信通知が来なかったりと不安定な動きをする。

このような事例が全てに当てはまるわけではないが、楽天モバイル+Rakuten Linkアプリで完全な通話料金0円生活が出来る方は限られる。

それ故に、電話を重視する方にとっては今回のかけ放題サービスは選択しても良いサービスにはなるだろう。

3,278円と1,100円の合計4,378円で

  • 1回10分以内の国内通話がかけ放題
  • 国内SMSの送受信が使い放題
  • データ通信無制限

となれば、楽天回線エリアが生活圏の利用者にとっては、何不自由ないサービスになるのだ。

今後の動向に期待

10分(標準)通話かけ放題・SMS使い放題のオプションサービスをリリースしたことで、既存ユーザーのオプション契約増、新規・MNPユーザー獲得の大きな材料にはならないと思うが、4,378円で通話・SMS・データ通信無制限の提供が可能になったことは、楽天モバイルにとって業界内での地位を上げた。

これにより他社との競争が始まり、料金・品質改善が進むなど、利用者にとってはメリットしかない環境が出来上がってくるかもしれない。

私自身、楽天モバイル回線はサブ回線として利用している。(メインはahamo)

回線品質が安定することが前提だが、今回のオプションサービスの値段が半額の500円提供であれば、メイン回線として楽天モバイルを利用することも有りだと考える。

モバイル通信市場はまだまだ活発な動きがありそうなので、今後に期待したい。がんばれ楽天モバイル。

-ガジェット・通信