最近の会社支給パソコンはセキュリティ対策、紛失時、内部からの情報漏洩防止の観点で、ガチガチに制限された仕様になっている端末が多い。
これは、情報システム担当からすると想定されるリスクを防ぐ為には当たり前に必要な仕様である。
しかし、ガチガチすぎて一般利用者は窮屈な思いをしているのが実際のところ。
そんな環境からひと工夫を加えるだけで解放出来る凄技ツールを今回は紹介する。
ちなみに、社内では情報システムに所属する私がこの方法を使っていることは内緒である。
主なパソコンへのセキュリティ対策
会社支給のパソコンや職場環境で整備されているセキュリティ対策を整理してみる。
パソコンに管理者権限を付与しない
会社支給のパソコンを好き勝手にさせないのであれば、この対応は必須。
管理者権限が無い場合、ソフトのインストールもユーザーには出来ず、必ず管理者である情報システムへ相談が必要になる。
ユーザーからするとお手上げな対応である。
外部接続、インターネットの閲覧制限
パソコン単体の話では無いが、ユーザーが危険なサイトを覗いたり、悪意のあるソフトを仕込まれないように、制限をかけている。
インターネット接続であれば、アダルトサイトや大型掲示板、広告サイトへの接続を禁止にするなど、問題が発生しそうな行為を制限出来る。
これは当たり前にユーザーが自ら抑制することではあるが、パソコンに不慣れな人、傲慢な考えの年配者が守らない傾向がある。
そうなると仕組みで一括対応するしか無い。
しかし、情報収集を行う際に掲示板等の情報が重要になってくることも稀にある。そうした際には非常に不便な一面もあるのも事実。
操作のログを常時取得
万が一の事態が発生した際に『何をしたのか』後追いできるようにパソコン操作等のログを取得している。
- パソコンを物理的に操作した際のログ
- ネットワークのどこを辿っていたかのログ
- どんな処理をしていたかのログ
というように、取ろうと思えばいくらでもログは取得可能である。
ただし、ログを大量に取得した場合、肝心の何かを探す際に大変なことになる。
小さい箱に詰まったオモチャ箱から特定の一つを探す行為と、バカでかい箱に詰まったオモチャ箱から探す行為とどちらが容易かは想像がつくと思う。
なので、この対応は企業によりレベルがまちまちである。
一般的に以上の3点がセキュリティ対策として企業が行なっている制限である。
こんな状態では、会社のパソコンを使って何かすることは難しい。
ただ、サラリーマンである私たちは、仕事中に息抜きもしたい。時には副業的な行為だって出来るならばしたいものだ。
だがしかし、会社支給パソコン・ネットワークの配下にいる限り、それは叶わぬ。
職場・業務中に自由を手に入れるためには
では、我々サラリーマンには支給されたパソコン・職場環境に自由はないのか。
自由を得るための方法を考察する。
個人パソコン、ネットワークを持ち込む
物理的に一番簡単な回避方法である。
会社に管理されない端末と通信があれば、ガチガチに管理された環境とは無縁である。
しかし、この方法は現実的では無い。
- 他人が見たら明らかに不自然であり、サボってますと公言しているようなもの
- そのためだけにパソコンと通信に費用をかけるのはコスパ悪い
- そもそも会社支給以外のパソコンを持ち込むこと事態、情報漏洩の犯人予備軍としてマークされる
どう考えても一般的な企業であるならば不可能な内容である。
スマホで全てを完結させる
例えば、副業として株式投資をしている場合、最近はスマホアプリをリリースしている証券会社・サービスも多く、スマホが有れば対応できる。
調べ物やネットサーフィンもスマホが有ればパソコンと同等の情報を集めることができる。
となると、スマホが有れば全て解決か?というと、そうではない。
皆さん、就業中に堂々とスマホ触り続けていられるか?
出来ない方が大半なはず(統計は取ってない)
最近はスマホのカメラからの情報漏洩を恐れて、持ち込み禁止の会社があるほどだ。
そうなるとスマホも手軽なサボり手段にはならない。
インストール不要のリモート接続ツールを使う
私がお勧めしたい答えがこれである。
会社支給のパソコンから、自宅のパソコンへリモート接続し、自宅パソコンで好きなことをするのである。
これにより、周りからはパソコンに向かって仕事をしている雰囲気を見せることができ、実際は自由気ままに遊ぶことが可能。
自宅へのリモート接続は最強である。
それなのに、皆がそれをしないのは何故か。
それは、周知されているリモート接続ツールがインストールを必要とする製品が多いからに他ならない。
リモート接続ツールをインストールするために情報システムへは相談できない。
何のためにインストールするかの説明で論破できる自信は私にもない。
(私は本来相談を受ける立場だが)
では、この相談というハードルを超えることなく利用できるリモート接続ツールがあればどうなるか。
誰にも知られずにしれっと使える。
さらに初期投資が不要のフリーソフトであるならばどうか?
使わない理由がない!!
それが今回紹介したい商品、ツール『AnyDesk』である。
AnyDeskの概要
個人使用に限り無償で利用できるソフト。いわゆるフリーソフトと同じ感覚で利用が可能である。
最大の特徴は
パソコンへのインストールが不要でexeを実行すれば利用できる
ことである。
要は、管理者権限がない会社支給のパソコンでも利用できるのだ。
もちろん、会社がリモート接続のポートを遮断していたりした場合は利用できないが、そこを遮断している企業は数少ない。
なぜならば、情報システムなどのサポート部門がトラブル対応でユーザーのパソコンにリモート接続することがあるため、意図的にポートを開放しているからである。
もちろん情報システム部門はインストール型のリモート接続ツールを使っていることが多いが、それは一般社員には利用を許可していない。
この『AnyDesk』はそんな特別な権限をもった情報システム部門と同じことを『しれっと実施』出来る凄技ツールなのだ。
AnyDeskの利用方法
AnyDeskのダウンロード・使い方を詳細に説明すると、この記事内では書ききれない。
今回伝えたいのはAnyDeskの細かい使い方ではなく、うまく活用することで出来ることである。
その為、この記事では詳細説明は割愛する。
簡単な概要とお勧めする使い方・運用方法に絞って紹介をする。
ダウンロード方法
下記URLが公式が公開しているダウンロードページである。
上記イメージの通り、ご自分の環境を選択して『今すぐ無料でダウンロード』を押下してゲットする。画像はWindowsを選択。
利用方法
ここは詳しい使い方を紹介している方が沢山いるので割愛する。
Googleで『anydesk 使い方』と検索すればいくらでも紹介ページが出てくる。
下記リンクをクリックすればGoogleの検索結果ページに飛べる。(他人任せ)
おすすめの使い方
この記事で伝えたい内容である。
パソコンにインストール不要で、『AnyDesk』のexeを実行すれば利用できることだけでなく、自宅のパソコンにも事前に設定・準備を行っておけば簡単に接続が可能なのである。
リモート接続したい自宅パソコンへの設定
『AnyDesk』を起動後、右上のメニューボタンを押下し、設定を開く
設定内の『セキュリティ』を選択し、『不在アクセス』欄の
□無人アクセスを許可する
に☑を付ける。
更に、無人アクセスを許可するの下にある『ワークスペースのパスワードを変更する』を押下し、任意のパスワードを設定する。
最低限必要な設定はこれだけ!!
リモート接続したい自宅パソコンへの準備
会社環境・パソコンから自宅パソコンへに『AnyDesk』を利用して接続する際に必要となる『自宅パソコン』に必要な準備は2つだけ。
- ワークスペースのIDをメモっておくか、事前に会社パソコンから接続をして登録しておく
- 自宅パソコンを常時起動状態にし、『AnyDesk』を起動しておく
この2つ。
②に関しては、スリープにならない設定が出来ていればOK。
モニタの電源は切れていても問題ないので、節電の為に切ったほうが良い。
Wake on Lanにて自宅パソコンを起こすことが出来るならばこの限りではないが、一般サラリーマンにはハードルが高いので、ここでは常にスリープを推奨。
ちなみに、パソコンの電気代は常時起動をしていても月に数百円程度。
(ゲーミングPC等の消費電力が大きい場合はもっとかかる)
会社環境・パソコンからの接続
- 会社パソコンで『AnyDesk』を起動
- 自宅パソコンのワークスペースIDを入力
- 自宅パソコンのワークスペースのパスワードを入力
これだけでリモート接続が可能になる。
しかも、接続先を保存しておけば、その後は
- 会社パソコンで『AnyDesk』を起動
- 保存した接続先をクリック
の2つの手順で接続が出来てしまう。
めちゃくちゃ簡単でめちゃくちゃ楽なツールである。
是非試してほしい。
自宅パソコンに接続し何をするか
何をするかは個人の趣味によるため、私が『これだ』と指定はできないが、はっきりいって何でも出来る。
主に私が何をしているかを参考に記載すると
- 2ちゃんねる(5ちゃんねる)、まとめサイトを閲覧する
- 電子書籍を読む
- 放置して自動装置を動かしているマインクラフトの様子を見る
- このブログを書く
こんな感じ。
個人利用は無料のツールなので、やってみて損はない。
使い勝手がいまいちだったり、うまく使えない場合はやめればよいだけ。
是非皆さん一度お試しあれ。
利用時の注意点
利用範囲の確認
個人利用は無料のツールだが、個人利用の範囲に関しては、商品説明を読んで確認して欲しい。
商用利用をしない限りはOKという認識で基本は問題ないはず。
会社にばれる可能性
インストールが不要なので、こっそり利用が可能ではあるが、パソコンの操作ログを取得されており、仮に『AnyDesk』が要注意アプリのような位置づけにされていると、利用がばれる可能性がある。
ただし、『AnyDesk』を使って自宅のパソコンで何をしていたかまではさすがにわからないので、利用に際しては数日・数回テスト接続をしてみて、注意を受けないかの検証をしてみても良いかも。
もし見つかったら、ごまかす以外に手はないので、自信がない方はやめとくこと。
とは言え、試してみて損はないツールなので、是非使ってみてもらい同士が増えると嬉しい限りである。
それではご武運を。