ゲーミングヘッドセットを探すと、売れ筋のほとんどが「密閉型」である。
低音に迫力があり、周囲の音を遮断しやすい。ゲームへの没入感を重視するなら、確かに理にかなった構造。しかし、長時間使うと耳が蒸れる。
自分の声が聞こえにくいため、ボイスチャット中に無意識のうちに声が大きくなることもある。音が頭の中に詰まって聞こえる感覚も、個人的にはあまり好きではない。
そこで購入したのが、FIFINEの開放型ゲーミングヘッドセット「H18V Lite」だ!
開放型ヘッドホンに、着脱式コンデンサーマイク、USB接続、3.5mm接続、バーチャル7.1サラウンド、多機能コントローラーまで搭載。それで価格は1万円前後に収まっている。
正直、購入前は「機能を詰め込んだだけの安価なゲーミングヘッドセットではないか」と疑っていた。しかし、実際に使ってみると評価は大きく変わった。
音質、マイク、装着感、接続性、価格。どれか一つが突出した製品ではないが、すべてが高い水準でまとまっている。総合判断として、非常に優秀なゲーミングヘッドセットだった。
結論:開放型とマイクを両立したいなら有力候補
先に結論を書いておく。
FIFINE H18V Liteは、1万円前後で開放型のゲーミングヘッドセットを探しているなら、かなり有力な選択肢になる。
理由は3つ。
- 開放型らしい広く自然な音場
- ボイスチャットに十分使える着脱式コンデンサーマイク
- USBと3.5mmの両方に対応する使い勝手
加えて、USB接続ではバーチャル7.1サラウンド、音量調整、マイクミュート、ノイズ低減なども利用できる。
これだけの機能を備えながら、Amazonでの購入価格は1万円前後。
高級な開放型ヘッドホンと単体マイクをそろえれば、音質はさらに上を目指せる。しかし、ゲーム、ボイスチャット、動画、音楽、オンライン会議まで一台で済ませたい人にとって、H18V Liteのバランスは非常にいい。
FIFINE H18V Liteの主な仕様
主な仕様を整理すると以下になる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | FIFINE AmpliGame H18V Lite |
| ヘッドホン構造 | 開放型 |
| ドライバー | 53mmダイナミックドライバー |
| 接続方式 | USB-A/3.5mm |
| インピーダンス | 32Ω |
| 再生周波数帯域 | 20Hz~20kHz |
| バーチャルサラウンド | 7.1ch・USB接続時 |
| マイク | 着脱式・ノイズ低減対応 |
| ケーブル長 | 約2.9m |
| 対応機器 | PC、PS4、PS5、Xbox、Switch、スマートフォンなど |
| ワイヤレス接続 | 非対応 |
| RGBライティング | 非搭載 |
USBと3.5mmは、接続する機器によって使い分ける。
PC、PS4、PS5ではUSB接続が可能。USB接続時はインラインコントローラーとバーチャル7.1サラウンドを利用できる。
Xboxコントローラー、Nintendo Switch、スマートフォンなどでは3.5mm接続を使う。この場合は通常のステレオ再生となる。
何でもUSB接続できるわけではない点には注意が必要だが、主要なゲーム機をほぼ網羅している。
開放型ならではの音の広がりが気持ちいい
H18V Liteを使って最初に分かるのが、音の広がりだ。
密閉型ヘッドセットは、音が耳の近くに集まりやすい。迫力は出しやすいが、長時間聴いていると窮屈に感じることがある。
一方、H18V Liteは音が左右へ自然に広がる。
音が頭の中だけで鳴っているのではなく、少し離れた位置に配置されているように感じられる。ゲーム内の環境音にも奥行きが生まれ、閉塞感が少ない。
特に相性がいいのがFPSやTPSだ。
足音、銃声、車両の移動、周囲の環境音などが一つの塊にならず、方向を意識しやすい。単に音が派手になるのではなく、空間全体を把握しやすくなる。
もちろん、数万円するオーディオ用の開放型ヘッドホンと比べれば、細かな音の分離や解像感では負ける。
しかし、これは1万円前後で購入できるマイク付きヘッドセットだ。
価格と用途を考えれば、十分以上の音質である。
53mmドライバーは低音にも不足がない

開放型と聞くと、「低音が弱いのでは?」と心配する人もいるだろう。
H18V Liteの低音は、密閉型のように耳を圧迫するほど強くはない。それでも53mmの大型ドライバーを搭載しているため、銃声や爆発音に必要な量感はしっかり出る。
音の傾向は、少し暖かく厚みがある。
動画では人の声が細くならず、音楽ではベースやキックドラムが気持ちよく鳴る。高音も極端に刺さらないため、長時間聴いていて疲れにくい。
一方で、低音から中音にかけて少し厚く感じる場面はある。男性の声や音数の多い楽曲では、わずかに音が混み合うことがある。
ここは好みが分かれる部分だ。
スッキリした音が好きなら、イコライザーで150Hz付近を少し下げると見通しがよくなる。逆に、ゲームや映画で迫力を求めるなら、そのままでも問題ない。
コンデンサーマイクの品質が想像以上にいい

H18V Liteを評価したい大きなポイントが、着脱式のコンデンサーマイクである。
安価なゲーミングヘッドセットは、ヘッドホン部分が良くてもマイクが残念な製品が多い。声がこもる、音が小さい、ノイズが多いという問題が起きやすい。
H18V Liteのマイクは、ゲーム内チャットやDiscord、オンライン会議で使うには十分な品質がある。
声の輪郭が分かりやすく、極端にこもらない。口元へ適切に近づければ、小さな声でも相手へ伝えやすい。
USBコントローラーにはマイク用のノイズ低減機能も搭載されている。
キーボードの打鍵音、パソコンのファン、エアコンなどの環境音を完全に消せるわけではないが、相手が会話へ集中しやすい状態には整えてくれる。
もちろん、数千円から1万円程度の単体USBコンデンサーマイクと比べれば、音の厚みや自然さでは負ける。
配信や動画収録で声の品質を最優先するなら、専用マイクを使ったほうがいい。
しかし、ここで重要なのは価格と利便性だ。
開放型ヘッドホンと、実用的なコンデンサーマイクが最初から一つになっている。ゲームをしながら友人と会話をする用途なら、わざわざ別のマイクを用意しなくても十分成立する。
この「一台で困らない」ことがH18V Liteの強みである。
長時間使っても耳が蒸れにくい
音質以上に、日常的な満足度へ影響するのが装着感だ。
H18V Liteは開放型のイヤーカップと通気性のあるメッシュイヤーパッドを採用している。内部に熱がこもりにくく、密閉型よりも明らかに蒸れにくい。
1時間程度であれば、多くのヘッドセットが快適に使える。
差が出るのは2時間、3時間と使い続けたときだ。
ゲームを長時間プレイした後も、密閉型で感じる耳周辺の湿気や圧迫感が少ない。
ヘッドバンドにもクッションがあり、本体も比較的軽いため、重さによる疲労も抑えられている。
在宅勤務のオンライン会議から、そのまま夜のゲームまで使うような人には、この快適性が嬉しい。
スペック表では目立たないが、毎日使う道具としては重要なメリットだ。
7.1サラウンドは必須ではない
USB接続時には、コントローラーのボタンからバーチャル7.1サラウンドを有効にできる。
映画や広いマップのゲームでは空間が広がり、臨場感を出しやすい。音の方向をつかむ補助として使える場面もある。
ただし、常に7.1を有効にすれば音が良くなるわけではない。
ゲームや音源によっては、中音が少し濁ったり、音が中央へ寄ったように感じたりする。H18V Liteは通常のステレオ状態でも十分に音場が広いので、無理に7.1を使う必要はない。
基本はステレオ。
映画やゲームに合わせて7.1を試し、好みに合えば使う。
この程度に考えておくのがいい。
気になる点は音漏れとケーブル
欠点もある。最も分かりやすいのが音漏れだ。
開放型なので、聴いている音は外へ漏れる。同時に、家族の会話やテレビなど、周囲の音も耳へ入ってくる。
静かな個室では問題ないが、家族と同じ部屋で使う人や、近くで誰かが寝ている環境には向かない。騒がしい場所で周囲の音を遮断したい人も、密閉型を選んだほうがいい。
もう一つは、約2.9mのケーブルが取り外せないこと。
デスクトップPCでは余裕のある長さだが、コントローラーやスマートフォンへ接続すると長く感じる。断線したときにケーブルだけ交換できない点も惜しい。
また、USBはType-Aで、USB Type-C変換アダプターは付属しない。Type-C端子しかないパソコンやスマートフォンでUSB機能を使いたい場合は、別途アダプターが必要になる。
メリットとデメリット
メリット
- 開放型らしい広く自然な音場
- 53mmドライバーで低音にも十分な量感がある
- 高音が刺さりにくく、長時間でも聴き疲れしにくい
- コンデンサーマイクがボイスチャットに十分使える
- マイクのノイズ低減機能を搭載
- USBと3.5mmの両方に対応
- 手元で音量、ミュート、7.1を操作できる
- 開放型とメッシュパッドで蒸れにくい
- RGB非搭載でデザインが派手すぎない
- これだけそろって1万円前後
デメリット
- 開放型なので音漏れする
- 周囲の音を遮断する用途には向かない
- 7.1サラウンドは音源によって好みが分かれる
- ケーブルを取り外せない
- 約2.9mのケーブルは携帯機器では長い
- USB Type-Cアダプターが付属しない
- 本体の質感は価格相応
並べてみると、欠点の多くは開放型や有線接続という構造上の特徴である。
静かな部屋で使う。ケーブルの長さが問題にならない。ワイヤレス接続も必要ない。
この条件に当てはまるなら、致命的な弱点はほとんどない。
FIFINE H18V Liteはこんな人におすすめ
- 1万円前後で開放型ヘッドセットを探している人
- FPSで音の方向や距離を把握しやすくしたい人
- 密閉型ヘッドセットの蒸れが苦手な人
- Discordやゲーム内チャットも一台で済ませたい人
- PCと複数のゲーム機で使い回したい人
- 派手なRGBライティングが不要な人
- ワイヤレスより遅延や充電切れのなさを重視する人
反対に、音漏れを避けたい人、騒がしい場所で使う人、自由に移動できるワイヤレス製品が欲しい人には向かない。
総合評価:価格を考えれば非常に優秀
FIFINE H18V Liteの評価をまとめる。
| 評価項目 | 評価 |
|---|---|
| 音質 | 4.5/5 |
| 音場・定位 | 4.5/5 |
| マイク | 4.5/5 |
| 装着感 | 4.5/5 |
| 操作性 | 4.0/5 |
| 質感・耐久性 | 4.0/5 |
| コストパフォーマンス | 5.0/5 |
| 総合評価 | 4.5/5 |
高級ヘッドホンほどの解像感はない。単体コンデンサーマイクほどの録音品質もない。バーチャル7.1サラウンドも、常時使いたくなる機能ではなかった。
それでも総合評価は高い。
開放型らしい自然な音場、ゲームに必要な低音、長時間使える装着感、実用的なマイク、USBと3.5mmの接続性。必要なものが高い水準で一台にまとまっている。
しかも価格は1万円前後。
安いから我慢して使う製品ではない。
ゲーム、ボイスチャット、動画、音楽、オンライン会議を一台でこなし、なおかつ開放型の快適さを得たい。そんな人にとって、FIFINE H18V Liteは非常に賢い選択になる。
開放型ゲーミングヘッドセットへ初めて挑戦する人にも、おすすめしたい製品だ。



