クラウドやWEBサービスの利用が多くなり、年々危機感が薄くなっているPCのバックアップ。
しかし、今まさに自分のパソコンがクラッシュしたら、どのような状態になるだろうか。
ローカル保存しているデータ類の消失は取り返しのつかない痛手だし、必要に応じて導入していった各種ツールは何が入っているかを整理していないので、再度作り直すことは困難だろう。
ということで、個人利用でも定期的なPCのバックアップは必須。
データバックアップは必要なファイルを手動で退避だけでは限界がある。バックアップソフトウェアで自動化しなければ、やっていないことと同じ状態になる。
今回は、誰もが簡単に使えるだけでなく、無料の範囲で不自由なく利用出来るバックアップソフト「MiniTool ShadowMaker」のレビューを行う。
バックアップソフトの検討だけではなく、ディスク交換でOS毎まるっとコピーしたい人は無料体験・有料版の検討含めて参考にして欲しい。
MiniTool ShadowMaker とは
カナダと香港に拠点を構える「MiniTool® Software社」が開発している。
ディスクやパーティション管理、データ復旧、データバックアップの分野に特化したソフトウェア会社で、累計販売4,000万を突破した勢いのある企業である。
「MiniTool ShadowMaker」はその中でも主力商品であり、無料の範囲で使える機能が多すぎることが特徴である。
パソコンの不具合・ディスクの故障は予期せずやってくる。
でも日々のバックアップは面倒だし、何世代も管理可能な大きなバックアップディスクは持ちたくない・金銭的に厳しいという人は、検討してみて欲しいツールだ。
「MiniTool ShadowMaker」はバックアップ・データ圧縮・復元の範囲であれば、無料版で事足りる。むしろ、いつか一部の機能が有料版になる前に使っておきたいと思うほどである。
どのような使い勝手で、何が出来るのか、有料版との違いを以降で説明する。
MiniTool ShadowMaker のインストール
MiniTool ShadowMakerの製品ページの「無料体験」ボタンを押下し、インストールexeをダウンロードし、実行。
今すぐインストールを押下。
比較的軽いソフトなので、少し待てばインストールが完了する。
インストールはこれだけ。複雑な操作はまったくない。指示に従ってボタン押すだけ。
MiniTool ShadowMaker の日本語化
インストールが完了し、「MiniTool ShadowMaker」を起動したら、何よりも先に日本語化を行おう。
下記イメージの右上にある赤枠・赤矢印のハンバーガーボタン「三」を押下すると、設定変更が可能。
デフォルトは「English」に設定されているので、「Japanese」を選ぼう。再起動後、日本語化される。
無事日本語化完了。
この手順も超簡単。ある程度いろいろなソフトを触ったことがある人なら、直感的に触れると思う。
バックアップの実施
バックアップディスク含めた外付けディスクを接続した私のPC環境が下記。
4つの外付けHDDを「裸族のカプセルホテル」に格納して利用している。
今回はどこか1つのディスクにバックアップを行う。
比較的に余裕のあるディスクを選定。
PC側約463GBのディスク領域を空きが約2301GBの外付けHDDへバックアップする。
バックアップ時は、右下のオプションを選択することで、バックアップデータの圧縮やパスワード、通知メールの設定も可能。
私は何も変更はせず実行。
実行後は進捗バーが表示されるので、参考にしながら待つ。
バックアップが終了すると、最新のバックアップ時刻を緑字で記載してくれる。
ログもしっかり残ってくれているので、今回のバックアップに要した時間の確認も可能。
バックアップ先がHDDなので、速度は期待していなかったが、圧縮して222GBを38分で実行した結果は優秀である。
実際にバックアップ先のフォルダを確認すると、圧縮された結果で222GBのファイルが出来上がっている。
増分・差分バックアップでスケジューリングも可能
バックアップは、スケジューリング・自動化しないとそのうち面倒でやらなくなる。
ただ、スケジューリングすると毎日 or 定期的に長時間処理が走ることになり、邪魔になることもある。
この課題を「MiniTool ShadowMaker」はしっかり意識して設計している。
バックアップ手法が選択できる
バックアップ手法は下記3種類から選択できる。
- 完全バックアップ(都度フルバックアップ)
- 差分バックアップ(フルバックアップからの更新分)
- 増分バックアップ(前回更新分から増えた分)
また、何世代分を取得するかの指定も可能。
増分バックアップを選んだ場合は、数世代取得しても対象データがかなり少なくなるので、バックアップに要する時間の短縮も可能だ。
そして、バックアップ用ディスクの容量を圧迫しないのも嬉しいポイントである。
バックアップスケジュールも細かく設定可能
毎日・毎週・毎月・イベント(ログイン・オフ時)で時刻まで設定が可能。
実際にスケジュールを組んだ結果、自動で実行してくれた。
実際のバックアップ先のフォルダは下記の通り。
増分のみが出来上がっている。
スケジュール設定には、バックアップ後シャットダウンの指示も可能なので、至れり尽くせりなツールであると評価出来る。
復元も容易
上記のCドライブ丸ごとのバックアップデータでは、復元に時間がかかるので、あえて小さいフォルダをバックアップして復元した手順を載せる。
バックアップ元のファイルには、この記事で使った3つの画像が入っている。
「MiniTool ShadowMaker」にてバックアップを実行した結果、下記の通りバックアップファイルが出来上がった。
元となるファイルの画像を完全削除し、復元に備える。
空になった。
この状態で「MiniTool ShadowMaker」から復元を行う。
「復元タブ」から対象のバックアップデータの「復元ボタン」を押下。
どの世代のバージョンを復元するか聞いてくるので、対象を選択して「次へ」を押下。
復元先の選択(デフォルトでバックアップ時の設定が反映している)。「次へ」を押下。
何故か再度復元先のパスを聞かれるので、設定して「開始」を押下。
正常に復元が完了したメッセージが表示される。
先ほど画像を完全削除したフォルダを確認すると、無事復活している。
ただ、復元時の指示ミスで、対象フォルダの中に更にフォルダが出来上がっているので、1段深くなってしまった。
ここは私の確認ミスだ。
パスの指定の部分で「C:\バックアップ検証」にしたところを、「C:」にしたら、二重の階層は無くなった。
フォルダ事バックアップを取って、そのフォルダを復元する流れだったので、フォルダを戻す先を指定すれば良かったようだ。
復元に関しては間違いを1回してしまったが、逆に言えば「説明書も見ずに直感で使って、この程度の間違いだけで済んだ」と考えることも出来る。
インストール・バックアップ・復元の全ての工程が非常にわかりやすく簡単に使えると評価できる。
その他にも便利な機能が付属
「MiniTool ShadowMaker」はバックアップ・復元以外にも
自動ファイル同期
ファイルやフォルダ、開いているファイルやフォルダ、ローカルドライブや他の場所に自動的に同期し、2つの場所に保存されているファイルを同じように利用できるようにします。
メディア作成
CD/DVD、USBフラッシュドライブ、USB外付けハードディスクを作成し、パソコンが起動しないときにシステムを以前の状態に復元できます。
等の機能も備えている。
自動ファイル同期に関しては、有料のOneDrive・Dropbox・Googleドライブ等のクラウドストレージを利用している場合は不要な機能ではあるが、使っていない人には嬉しいポイントになるだろう。
無料版と有料版の違い
バックアップ・復元に関してはほぼ無料版で問題ない機能だが、有料版は「システムディスクのクローン」に対応するところが大きな違いだろう。
有料のProも30日間は無料体験出来るので、機能一覧を確認して欲しい機能がある場合は試してみるべし。
私は今回メーカーさんより「生涯使用可能のMiniTool ShadowMakerプロ・アルティメット版」のライセンスを提供してもらったので、現在は有料版の機能を使い倒せる状態。
ただ、直近はディスクのクローン予定もない為、正直無料版の範囲でしか使いきれていない(笑)
MiniTool ShadowMaker の総評
超簡単にインストール・バックアップ・復元が出来るので、
誰もが一度は使ってみる価値のあるバックアップト!!
と言い切れる。
無料で使える機能が豊富というのが大きなアドバンテージではあるが、私はそれよりも操作性のわかりやすさに一票を投じたい。
PCのバックアップは、誰もが必要性を感じながら、実際に実施している人は半数以下だろう。
それは、無料ツールではやれることが中途半端だったり、使い方がわかりにくいという課題があったから。
「MiniTool ShadowMaker」は「大事なデータをバックアップする」・「世代管理を行う」というバックアップのハードルを限りなく下げてくれるツールと評価出来る。
今までバックアップをしてこなかった、ツールを使ってこなかった人は、是非試して欲しい。
それでは良きPCのデータ保護・バックアップ生活を!!