歴史を面白く学ぶコテンラジオ(COTEN RADIO)をリスナーは既に手に取って読んでいる方も多いだろう本書籍。
株式会社COTEN 代表・深井龍之介と独立研究者・山口周さんの共著『人文知は武器になる』をビジネスパーソン・サラリーマン全員に読んでほしい本として、読み終えた感想をネタばれなくざっくり書いてみる。
歴史を学ぶことで
・「過去の出来事」ではなく、今を生きるための地図のように感じられる人
・「なるほど、人間ってそういうものか」と解釈できる人
になるなりたい・なる必要があると思っている方は、是非入手してもらいたい。
「人文知は武器になる」は何を語っているか
本書は、山口周さんと深井龍之介さんの対談形式で構成されている。テーマはひとことで言えば「なぜ今のビジネスパーソンに人文知(歴史・哲学・思想など)が必要なのか」だ。
AIの進歩によって「常識」や「正解」が激変しつつある時代、ビジネスパーソンには人文科学の知見が必要なのだ。
単なる教養論ではない。生成AIが業務に当たり前に入り込み、かつてホワイトカラーが担っていた「論理的処理」がどんどん代替されていく時代に、「では人間に残るものは何か」。そこに人文知の本質的な価値があると、二人は論じている。
記載内容の一例
- 失敗するリーダーや組織には歴史的に共通パターンがある
- 世界のスター経営者はMBAより人文知を重視している
- 時間軸を長く、空間軸を広くとることで意思決定の質が変わる
- 「正解」が揺らぐ時代には、自分の判断基準をつくる訓練が必要
- 歴史を武器にする独学の技法まで踏み込む実践的な内容
二人の著者が交差すると何が起きるか
この本の最大の魅力のひとつは、語り手の組み合わせそのものにある。
山口 周さん
電通、ボストンコンサルティングを経て独立した研究者・著述家。慶應大学の哲学・美学専攻出身で、経営と人文学の交差点に立つ独自の視点を持つ。
深井 龍之介さん
COTEN代表。世界史データベース構築を手がけ、コテンラジオ(COTEN RADIO)でその知見を分かりやすく発信する。東芝出身という異色の経歴を持つ。
コンサルティング・経営戦略の文脈から人文知を語る山口さんと、歴史的事実の蓄積と解釈から語る深井さん。二つのアプローチが交わることで、「人文知がビジネスに使える」という抽象論が、具体的なイメージとして落ちてくる。コテンラジオを聴いている方なら、深井さんの語り口の「あの感じ」が本の中でも健在なのを楽しめるはずだ。
コテンラジオリスナーが感じた「あの気づき」が、この本にある
コテンラジオを聴いていると、繰り返し気づかされることがある。
人間は、何千年経っても、本質的なところは変わっていない
ということだ。
権力争い、組織の内部崩壊、イノベーションへの抵抗、熱狂と失墜——歴史上の出来事は、今の職場や業界で起きていることと構造がそっくりだったりする。
すべての出来事は過去に起きている。人間は基本的に変わらない。だから経験を活かさない手はない。
本書はこの感覚を、ビジネスの言葉に翻訳してくれる。意思決定の場面で「これは歴史上どんなパターンに近いか」という問いを持てるようになること。変化の波が来たときに「今、自分たちはこのサイクルのどこにいるか」を見極められること。それが人文知を持つということだと、本書は説く。
特に響いたのは「タイミングを読む力」についての節だ。秀吉の話や、ネスレがインド市場でシェアトップを取った話が、単なる歴史エピソードではなく「現代のビジネスにどう使うか」という視点で語られる。コテンラジオで歴史を楽しんでいるリスナーなら、「あの話ってこう使えるのか」という発見が随所にある。
なぜ「今」この本を読むべきか
AIが論理処理・情報収集・文章生成を代替しつつある時代に、差がつくのはどこか。それは、「何を重要と判断するか」「どんな前提で世界を見るか」。そこは、まだAIが代替しにくい領域。
歴史・哲学・思想を学んだ人は、AIが出す「もっともらしい答え」に別の角度を差し込める。それが今の競争力になる、と本書は言う。ビジネスで課題解決の「How」をAIに任せるとすれば、人間に残るのは「What」と「Why」だ。人文知はその問いを立てる力を鍛える。
ビジネスパーソンにおすすめしたい理由
- 「正解」が変わり続ける時代に、自分軸の判断基準を持てるようになる
- 歴史のパターン認識で、リスクや変化の兆候を早期に察知できる
- AIに任せる「How」ではなく、人間が担う「What/Why」を磨ける
- 教養の話ではなく、思考と判断が変わる実践的な内容になっている
- コテンRADIOで培った歴史の感覚を、仕事の言語に変換できる
最後に。人文知は、有るほうが絶対にいい
コテンRADIOを聴き続けてきて、自分の中でひとつ確信になっていることがある。
「人文知は、無いより有るほうが絶対にいい」
ということだ。知っているから偉いとか、教養があるから賢いとか、そういう話ではない。世界の見え方が変わる。判断のときに使える地図が増える。それだけで十分すぎる価値がある。
本書はその感覚を、ビジネスパーソンが必要な言葉で届けてくれる一冊だ。コテンラジオのリスナーにはぜひ手に取ってほしい。そしてポッドキャストをまだ知らないビジネスパーソンにも、この本を入り口にして歴史と人文知の世界に踏み出してほしい。
論理とデータだけでは越えられない壁に、きっと人文知が届く。
おまけ:読書はブックカバー選びから始まる
読書をする際に必ず必要なお供といえば、「ブックカバー」である。出先で読書をする際、「他人に本の内容を悟られないようにする」ことや、「お気に入りの本を汚さない」ためにはなくてはならないアイテム。
しかし私は上記理由の他に超重要な目的でとあるブックカバーを使い続けている。
手汗で本がしわしわ・ぐちゃぐちゃにならないようにするため
本を購入する際にしてもらう紙のカバーでは手汗を吸収してしわしわに。布製のブックカバーでは手汗がしみこみ、なんか嫌な感じに。
そんな手汗民の読書を解決するのが「アーティミス ブックカバー」である。
軽い! 破れない! 水に強い! ポリエチレンファイバー製。
本体の素材はデュポン社のTYVEK(タイベック)というポリエチレンファイバーで作られており、とても軽い。
しなやかさを持ちながら耐水性があるため水にも強く、非常に丈夫で破れにくいため長持ちする。
また、折るだけで様々なサイズの本に対応が可能。
主な本のサイズにはガイドの線が入っており折りやすくなっている。本にあわせて折っていくだけで、様々なサイズの本にぴたりとフィットするブックカバーになる。
もちろん手汗民だけではなく、数多く・様々な本を読む人には刺さると思うので、まだ使ったことがない人は試してみて欲しい。



