「電熱ジャケット」は人類が生み出した至高の衣類である。素材・ボリュームでしか調整出来なかった保温性能に、電気の力で革命を起こしたのだ。
しかし、電熱ジャケットは「家電」である故、お洒落なファッションブランドが手掛けていない。その為、市場はダサいジャケット・怪しい中華製品で溢れている。
そんな悩みを解消するために、「お気入りの普段着を電熱ジャケット化」した自作事例を紹介する。
今回は電熱シート「エネタンポ」を使って簡単な加工を施した自作電熱ジャケットである。
きっかけはCIO WEARHACK の破損
従来から私は「CIO WEARHACK」という電熱シートを利用し、お気に入りの上着を電熱ジャケット化していた。
手軽に好きな服に取り付けることが出来て、ものすごく快適に利用出来ていたのだが、断線により破損してしまった。
今思い返すと、このケーブルめちゃくちゃ細い。もっと慎重に扱うべきだった。
次は取り扱いに注意しようと心に決め、同じ商品の再購入を試みたが、残念なことに既に販売されていない状態だった。
こりゃまいった。
代わりとなる商品を探したが、怪しい中華製品ばかりがヒットして、買う気になれない。
さすがに電気を使うので、安全性が確認出来ない商品は安くても使いたくない。
衣類に後付けして使える電熱シートは世の中にもう存在しないのか?と諦めかけたところで、期待できる商品が見つかった。
それが「エネタンポ」である。
enetanpo エネタンポ とは
大河商事株式会社が販売する
お湯も、火も使わない。厚さ2ミリ、重さ80gの省エネ防寒グッズ。
USBから給電することで発熱するシート。
薄くて軽い素材のシートなので、ひざ掛けとして使ったり、椅子に置いてお尻を温めたりすることも出来る。
スナップボタンがついているので、丸めた形状にして手を入れたり、マフラーを通してみたり出来る。
同一製品とスナップボタンで連結してサイズを大きくすることも出来る為、多様な使い方の出来る面白い商品。
実際に使ってみたところ、ホットマットとしての機能に何ら問題は無い。
モバイルバッテリーから給電することで、すぐに程よい温度に達する。
冷え性の人は常備していて損はないのでは?と思うほど優秀な商品である。
また、従来使ってた「CIO WEARHACK」で破損した「電源コード部分」が太く強めなのも良い。
ということで、今回は「エネタンポ ホットマット」をジャケットに装着させることで、電熱ジャケットを自作した。
電熱ジャケット自作化の素材
今回は実験的な面もあるので、失敗してもダメージが少ないように、ジャケットは比較的安価に購入出来るものにした。
ジャケット
ワークマン イージス防水防寒サーマルジャケット
耐水圧:20,000mm、透湿度:20,000g/㎡/24h というスペックを持つ高性能な防水防寒ジャケット。
モコモコしていないのに、ある程度暖かく・風を通さず雨を弾くというのが特徴だ。
このジャケットを電熱化することでダウンジャケット並みに暖かくなったら、最強と言っても過言ではない。
値段が3,900円と破格なので、万が一失敗してしまっても買い直すことも出来る金額感も良い。
両面テープ付き面ファスナー
今回電熱シートとして利用する「エネタンポ ホットマット」には、衣類に固定するための機能は無い。
その為、簡易的ではあるが「両面テープ付き面ファスナー」を使って固定することにした。
これは怪しい中華製品であるが、好きな長さに切れることだけでなく、粘着力の強いことがレビューに記載あったので採用。
ギャンブル的な感じにはなるが、そもそも今回の自作自体がギャンブルなので良しとしよう。
電熱ジャケットの自作工程
工作自体は非常に簡単。
- 「エネタンポ ホットマット」を「ジャケット」の背中部分のどこにつけるかを決める
- 「エネタンポ ホットマット」と「ジャケット」に「面ファスナー」を両面テープで貼り付け
- 「エネタンポ ホットマット」を「ジャケット」に取り付ける
文字にするとこれだけのことである。
実際の作業工程を写真を交えて載せる。
「エネタンポ ホットマット」を「ジャケット」の背中部分のどこにつけるかを決める
何も固定せず「エネタンポ ホットマット」を「ジャケット」に置いただけである。
この位置に貼り付ければ、背中部分を覆うことが出来て、かなり暖かさを感じることが出来るだろうと予想できた。
この位置で決定。
「エネタンポ ホットマット」と「ジャケット」に「面ファスナー」を両面テープで貼り付け
下記イメージの「面ファスナー」を「エネタンポ ホットマット」と「ジャケット」に両面テープで貼り付ける
電熱シート部に当たらないように「エネタンポ ホットマット」の側面に貼り付けることにした。
スナップボタンがある側面は真ん中だけに貼り付けた。
下記が両面テープを使って面ファスナーを「エネタンポ ホットマット」と「ジャケット」に貼り付けた後のイメージ。
面ファスナーのズレが起きないように両面テープを貼り付ける際のコツとしては、
- 「エネタンポ ホットマット」に片面に貼り付ける
- もう片面を同じ長さに切り、「エネタンポ ホットマット」に貼り付けた面ファスナーと合体させる
- 合体させた面ファスナー側の両面テープの保護シートを剥がし、ジャケットに「エネタンポ ホットマット」ごと貼り付ける
これで面ファスナーの位置がズレて張り付かないという事態を避けることが出来る。
※今回使った「両面テープ付き面ファスナー」は粘着力が非常に強く、一度貼り付けると剥がせない状態だったので、一発勝負で貼り付けた。
「エネタンポ ホットマット」を「ジャケット」に取り付ける
下記の通り面ファスナーが両面テープで固定された「ジャケット」に「エネタンポ ホットマット」を面ファスナーで貼り付ける。
ハンガーに吊るしたジャケットに貼り付けた結果がこちら↓
ズレ落ちることなくしっかり張り付いていることがわかる。
電源コードが下側から出ているので、このコードをモバイルバッテリーに接続すれば、電熱ジャケットとして背中から腰までを温めることが出来る。
従来の「CIO WEARHACK」と比較すると、電熱面積が格段に広がった。
自作電熱ジャケットの感想
- 「エネタンポ ホットマット」が電源ON後に40℃近い温度まで温めてくれる。
- 「エネタンポ ホットマット」は38cm×35cmと背中を包み込むサイズなので、背中全体から腰まで暖かい。
元々のジャケットの保温性も相まって、電熱化することでダウンジャケット超えの暖かさを得ることが出来た。
また、電車内等室温が高いときは電源OFFにすれば快適なので、いちいち脱がなくても良いのは非常に便利。
下記取扱説明書に記載ある通り、「エネタンポ ホットマット」は5V2Aのバッテリーであれば、最大40℃まで暖かくなるようだ。
面ファスナーで取り付ける方法を今回は採用したが、両面テープが剥がれ落ちることなく安定して使えている。
従来の「CIO WEARHACK」は、服のタグにクリップを付けてぶら下げる式だったので、着衣時にシートがめくれたり、斜めったりということが多々あった。
今回は面ファスナーで完全固定している為、ずれることが一切ないので、着衣時の気遣いもなくなりストレスフリーを手に入れることが出来た。
結論として、「ジャケット」への「エネタンポ ホットマット」+「面ファスナー」を使った自作電熱ジャケットは
大成功
と評価出来た。
電源部分も超安定
「エネタンポ ホットマット」はUSB2.0での給電になるので、ほとんどのモバイルバッテリーが利用出来る。
私は元々の「CIO WEARHACK」で使っていたCIO「SMARTCOBY Pro 30W」をそのまま使うことにした。
クレジットカードサイズなのに10000mAhを搭載するモバイルバッテリーは電熱ジャケットに最適。
ポケットに常設することになるので、デカかったり重かったりすると、非常に不便だしバランスが悪くなる。
また、USBケーブルも太めで丈夫なので、断線の心配は限りなく低いと予想できる。
変に気を使う必要のない最強の上着を手に入れた!!
まとめ
今回自作した電熱ジャケットの部材と費用をまとめる。
- エネタンポ ホットマット : 2,772円
- 両面テープ付き面ファスナー : 899円(全部使い切っていないが)
合計 : 3,671円
お気に入りの普段着にちょい足しで電熱化するのに、躊躇しないくらい安価に自作できた。
破損してしまったが、元々使っていた「CIO WEARHACK」が3,980円なので、それよりも安価で使いやすいものが出来た。
世の中の電熱ジャケットがダサすぎて手が出せない人、寒い冬を出来る限りヌクヌク過ごしたい人は、是非参考にして欲しい。
それでは良き電熱ジャケット生活を!!