電気自動車からスマホ、モバイルバッテリーまで、あらゆるデバイスの心臓部を担ってきた「リチウムイオンバッテリー」。しかし、2025年の今、新たな選択肢が台頭してきた。
それが「ナトリウムイオンバッテリー」だ。
今こそ、リチウム依存からの脱却を考える時期に来ている。その理由と、現時点でおすすめしたい製品をまとめる。
リチウムイオンバッテリーの限界
現在主流のリチウムイオンバッテリーには、次のような根本的な課題がある。
- 発火・爆発リスク
高エネルギー密度ゆえの代償として、熱暴走による発火事故は後を絶たない。モバイルバッテリーやEVの火災事故の多くがこのリチウム由来だ。
最近も電車でのモバイルバッテリーの爆発や、ハンディファンから発火したなどのニュースがある。 - 資源の偏在と価格高騰
リチウム・コバルトなどのレアメタルは、特定地域に集中して産出されており、供給不安定。ここ数年で価格も乱高下しており、将来的なコスト増は避けられない。 - 寒冷地での性能劣化
気温が下がると著しく性能が落ちる。雪国や冬のアウトドアでは、いざという時にバッテリーが使えない事態も。
ナトリウムイオンバッテリーの3つのメリット
ナトリウムイオンバッテリーは、これらの課題に対して以下のような強みを持っている。
- 安全性が高い
熱安定性が高く、発火リスクが低い。モバイルバッテリーにおいても過充電・過放電に強く、安全設計がしやすい。 - 資源が豊富で低コスト
ナトリウムは海水に含まれ、地球上で極めて豊富。希少金属を使わず、サステナブルかつコストを抑えた調達が可能。 - 寒さに強い
低温環境でも安定動作が可能。登山・スキー・雪国出張などで使うモバイルバッテリーとして非常に相性がいい。
ただし、ナトリウムイオンにも弱点はある
急速に注目を集めているナトリウムイオンだが、現時点で完璧というわけではない。
- エネルギー密度はまだ低め
同サイズで比べた場合、リチウムイオンに比べて蓄電容量はやや劣る。つまり、同じサイズでも容量が少ないという可能性がある。 - 製品の選択肢が少ない
市場に出回っている製品がまだ少なく、信頼できるメーカーが限られる。 - 技術革新が発展途上
長期的な充放電耐久や経年劣化など、今後の検証が必要な部分も多い。
こうした事情も踏まえ、「安全性」「エコ性」「冬場の使用」を重視する用途でナトリウムイオンを選ぶのが現実的だ。
おすすめ:エレコムのナトリウムイオンモバイルバッテリー
現時点で信頼できる選択肢のひとつが、エレコム製のナトリウムイオンモバイルバッテリーだ。
- 容量:9,000mAh(3.0V/3000mAh×3)
- 出力:USB-C対応(最大45W)
- 重量:約350g
- 機内持ち込み対応
- リチウム不使用で発火リスク低減
初めてナトリウムイオンを使ってみたいという人にとって、最適な1台だ。
特に「夏場・冬場に安心して持ち歩けるバッテリーが欲しい」「子どもにも安心して持たせたい」「使用中に落下や衝撃を与えてしまう可能性があるモバイル製品」というニーズにマッチする1台。
若干価格が高いと思われるが、リチウムイオンバッテリーの充電回数が500回、ナトリウムイオンバッテリーが5,000回と
まとめ:脱リチウム時代の第一歩に
ナトリウムイオンバッテリーは、まだ発展途上の技術だが、明らかに「次」を担うポテンシャルを持っている。
- より安全に
- より安価に
- より持続可能に
この流れに早めに乗っておくことで、数年後には主流になる技術を先取りできるかもしれない。
まずは、エレコムのナトリウムイオンバッテリーで、その第一歩を踏み出してみてはどうか。
それでは、良きモバイルバッテリー生活を!!