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Amazon限定 MINISFORUM UM880 PLUS 拡張性高いがコスパは微妙

2025年3月21日

ミニPCと言えばのメーカー MINISFORUM から、新たなAmazon限定機種がリリースされている。UM880 PLUS という名称で、CPUにAMD Ryzen 7 8845HSを採用し、GPUの外付けを可能にする「OCuLink インターフェース」を内蔵しているのが特徴だ。
内蔵GPUで運用することが基本となるミニPCでは物足りない人向けの機種であるので、その特徴と私が保有しているコスパ最強の同シリーズの UM870 Slim との違いをまとめる。

MINISFORUM UM880 PLUS の概要

MINISFORUM UM880 PLUSは、高性能なAMD Ryzen 7 8845HSプロセッサを搭載したコンパクトなミニPCである。最新のZen 4アーキテクチャを採用し、8コア16スレッドのパワフルなパフォーマンスを提供する逸品。

特徴とスペック

プロセッサ:AMD Ryzen 7 8845HS(8コア16スレッド / 最大5.1GHz)
グラフィックス:AMD Radeon 780M(12コア&グラフィックス周波数 2.7GHz)
メモリ:32GB SODIMM DDR5 5600MHz(最大96GB)
ストレージ: 1TB M.2 2280 PCIe 4.0 SSD(最大4TB)
インターフェース:1x USB4.0(Alt PD)、2x USB Type A(USB3.2 Gen2)、2x USB2.0、1x HDMI2.1、1x OCulink、1x 2.5Gbps LAN、1x DisplayPort1.4
ネットワーク:2.5ギガビットイーサネットLAN、WiFi 6E(802.11ax)、Bluetooth 5.3

魅力的なポイント

🔹 パワフルな処理性能
Ryzen 7 8845HSの高い処理能力により、動画編集やゲーム、プログラミングなど幅広い用途に対応可能。内蔵GPUのRadeon 780Mも高性能で、軽めのゲームやクリエイティブ作業に適している。

🔹 拡張性の高さ
メモリは最大64GB、SSDは高速なPCIe 4.0に対応し用途に応じたカスタマイズが可能。
本モデルの最大の特徴は、冒頭に記載した通りGPUの外付けを可能にする「OCuLink インターフェース」を内蔵していることだ。
ただし、OCuLinkを利用する場合はSSDポートを1つ専有してしまうため、SSDの増設が出来ないので注意が必要。

🔹 豊富なインターフェース
USB4ポート搭載し、高速なデータ転送や映像出力も可能。HDMI×1、 DisplayPort×1を利用することでトリプルディスプレイ環境も簡単に構築可能。

🔹 高性能なネットワーク機能
Wi-Fi 6Eによる高速無線通信と、2.5GbE対応の有線LANポートを2基搭載しており、安定したネットワーク環境を確保できます。

というように、ミニPCとしては十分すぎる性能を搭載している上位機種である。それでいて価格は8万円台。

OCuLink インターフェースとは

PCIe(PCI Express)を拡張デバイスと接続するためのインターフェース規格を搭載している。主な目的は外付けでGPUを接続可能にし、従来のThunderbolt接続よりも低レイテンシ(要求に対して応答するまでの時間(ロスタイム)が短いこと)&高速なデータ転送を実現。

内蔵GPUでは処理が限界だった重たいゲームや動画編集・AI処理などが外付けGPUのパワーで対応可能になるということだ。(もちろん、別途外付けGPUドッキングステーションとGPU本体が必要になる)
MINISFORUM製のドッキングステーションであれば下記。

上記ドッキングステーションの場合、GPUの対応機種(動作保証)があるため、確認して利用・購入する必要がある。RTX4060Tiあたりを接続すれば、GPU処理爆上がりのミニPCが出来上がる。

その他スペックに関しての同シリーズ UM870 Slim との違い

MINISFORUMのミニPCには、CPUの型が異なるが同じシリーズの UM870 Slim が存在する。私自身利用をしており、その性能の高さから軽いゲーム・動画編集を余裕でこなす超コスパの高いミニPCと評価している。
実際のレビュー記事は下記。

ゲーム性能を検証した記事が下記。

UM880 PLUSUM870 Slim の違いは、「OCuLink」を除くと搭載しているCPUのみが異なる。UM880 PLUS は AMD Ryzen 7 8845HS プロセッサを搭載。UM870 Slim はAMD Ryzen 7 8745HSプロセッサを搭載している。
どちらもZen 4アーキテクチャに基づく高性能なモバイルプロセッサであり、​主な違いは、Ryzen 7 8845HSがXDNAアーキテクチャのNPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)を搭載しているのに対し、Ryzen 7 8745HSはこのNPUを省略したモデルであるという点。

NPUはAI関連のタスクを高速化する専用ハードウェアで、画像認識や音声処理などの分野で性能向上が期待できる。​一方、NPUを搭載しないRyzen 7 8745HSは、これらのAIタスクにおいて若干の性能差が生じる可能性があるが、現時点でAIタスク処理を行うソフトやツールが一般的にはなっていないので、この差を意識出来る機会は少ないと思われる。​

NPUの有無以外の主要な仕様は、Ryzen 7 8845HSと Ryzen 7 8745HSはほぼ同等である為、「OCuLink インターフェース」が必要であれば、UM880 PLUS を選択。安価に高性能なPCを手に入れたい場合は UM870 Slim を選択するようなイメージだと思ってもらいたい。

ベンチマーク・ゲーム性能の違い

OCuLinkを利用しない内蔵GPU処理だけであれば、両機種のベンチマーク・ゲーム性能に違いはない。
ガジェット評論家の戸田覚さんのレビュー動画に「CINEBENCH R23」・「FINAL FANTASY XIV(FF14)黄金のレガシー」のスコアが説明されている。

本動画では「CINEBENCH R23」の結果が シングルコア:1781・マルチコア:16732と説明されている。私が保有している UM870 Slim はシングルコア:1669・マルチコア:16407 なので、その差はほぼ無いと言って良い。

「FINAL FANTASY XIV(FF14)黄金のレガシー」のスコアは、1920×1080高品質(ノートPC)でスコア:5610(普通)となっている。UM870 Slim は同条件でスコア:6706となり、何なら少し良いくらいである。

こうなると、OCuLinkを使わずに内蔵GPUだけで処理をするのであれば、同シリーズの UM870 Slim の方がコスパが高いと思う。言い換えれば、UM880 PLUSは拡張性に魅力を感じない限りちょっとコスパ悪いとも言える。

UM880 PLUSはワクワクする拡張性を持つがコスパは微妙

OCuLink接続での外付けGPUを利用できることが UM880 PLUS の魅力であるが、本体価格が同シリーズの UM870 Slim と比較をしても1万円程高い。また、外付けGPUドッキングステーションも保有していない場合は追加購入が必要となるので、その差は大きい。

UM880 PLUS&GPUドッキングステーション

本体が8万円台でドッキングステーションが1万円ちょっと。10万円近い金額になる。

UM870 Slim

本体が7万円台でポイント還元などをうまく使えば6万円台で購入も可能。この価格差は結構でかい。

そもそも最初から外付けGPUを必要とするのであれば、ミニPCではなく小型デスクトップを選べば良いし、内蔵GPUに強力なRadeon 780Mを搭載する高価なRyzen 7 8845HS プロセッサを選ぶ必要もない。そういった意味で UM880 PLUS は少し位置づけが微妙でコスパは高くないミニPCと言えるかもしれない。
しかし、このサイズ感で外付けGPUの搭載が可能であることにはロマンを感じざる得ないため、ガジェット好きにはたまらない逸品であることは確か。 UM870 Slim ユーザーには買い替えの必要性を感じないが、新たにミニPCの購入を検討している人にとっては面白いPCかと思う。

それでは、良きミニPC生活を!!

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