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ミニPC MINISFORUM UM870 Slim の性能劣化有無を検証 【10ヶ月使っての検証】

ミニPCはそのコンパクトさと高性能ぶりから、近年大きな注目を集めている。
しかし一方で、「ミニPCは放熱性能が低く、長期間使うと性能が落ちる」という声も少なくない。
特にCPUや内蔵GPUは熱によるスロットリングや、長期使用によるパフォーマンス劣化が懸念される部分だ。

そこで今回は、私が実際に10ヶ月間メインPCとして使ってきた MINISFORUM UM870 Slim を対象に、購入当初と現在の性能を比較検証した。
結論から言えば

性能の劣化は一切なし

各種ベンチマークのスコアはほぼ同一で、10ヶ月経過しても新品同様のパフォーマンスを維持していた。本記事では、その検証の目的と評価観点を項目ごとに整理して紹介する。

購入当初の性能検証記事は下記2つとなるので、詳細知りたい人は併せて読んで欲しい。
【レビュー】MINISFORUM(KODLIX) UM870 Slim【低価格なのに10年は使える高性能】

MINISFORUM(KODLIX) UM870 Slimのゲーミング性能を徹底レビュー!


CINEBENCH R23 ― CPU性能の劣化を確認

検証目的

CPUの処理性能が時間経過によって低下していないかを確認する。
CINEBENCH R23は、マルチスレッド性能とシングルスレッド性能を測定する代表的なベンチマーク。
冷却性能やCPUの安定性を見るうえで最も信頼性の高い指標の一つだ。

10ヶ月前と現在の比較

  • 10ヶ月前

シングルコア: 1669
マルチコア:16407

  • 現在

シングルコア: 1713
マルチコア:16143

という結果である。シングルコアが若干上がり、マルチコアが若干下がっている。ほぼ変化の無い結果と言って良いだろう。


PassMark & 3DMark ― GPU(グラフィックス性能)を検証

検証目的

内蔵GPUの描画性能や、映像出力時の安定性を測る。
特にMINISFORUM UM870 SlimはAMD Ryzenシリーズを搭載しており、内蔵GPU(Radeonグラフィックス)の性能が作業効率や動画再生品質を左右する。

10ヶ月前と現在の比較

  • 10ヶ月前

PassMark 3D GRAPHICS MARK : 7869
3DMARK:2989

  • 現在

PassMark 3D GRAPHICS MARK : 7920
3DMARK:2974

こちらも比較した結果誤差の範囲である。性能に劣化はないと言える。


CrystalDiskMark ― ストレージ(SSD)の読み書き速度比較

検証目的

SSDの劣化や速度低下が発生していないかを確認。
ミニPCではM.2 NVMe SSDが搭載されるケースが多く、長期利用での書き込み速度低下が懸念される。

10ヶ月前と現在の比較

上から2つは連続データの読み書き速度。下2つのランダムアクセスの読み書き速度。

  • 10ヶ月前

1段目 SEQ1M Read:4515.37 MB/s、Write:4622.70 MB/s
3段目 RND4K Read:1451.58 MB/s、Write:556.34 MB/s

  • 現在

1段目 SEQ1M Read:4538.01 MB/s、Write:4615.33 MB/s
3段目 RND4K Read:1477.39 MB/s、Write:590.03 MB/s

多少の差はあるが、誤差の範囲と言える測定結果。


WebGL Aquarium ― ブラウザ描画性能の持続性

検証目的

Webベースの描画処理性能(軽負荷3Dレンダリング)の劣化を検証。
このテストでは、WebGLを使って魚をリアルタイム描画し、GPU+ブラウザ最適化性能を確認する。

10ヶ月前と現在の比較

  • 10ヶ月前

30,000匹表示:fps 60前後

  • 現在

30,000匹表示:fps 60前後

こちらも大きな誤差はなく60fps前後の結果。劣化は無しと言える。


ドラゴンクエストX ベンチマーク ― 軽量3Dゲーム性能

検証目的

一般的なオンラインRPGクラスのゲームで快適に動作するかを確認。
DQXベンチマークは軽めの3D負荷テストとして、実用的なゲーム性能の劣化確認に最適だ。

10ヶ月前と現在の比較

  • 10ヶ月前

グラフィック設定:最高品質
評価:すごく快適
スコア:11277

  • 現在

グラフィック設定:最高品質
評価:すごく快適
スコア:10765

    評価はともに「すごく快適」で変化なし。スコアは現在が若干下がったが、誤差の範囲と言える。


    ファイナルファンタジーXV ベンチマーク ― 重量級3Dタイトルでの安定性確認

    検証目的

    非常に重い3Dグラフィックスを用いるFFXVベンチマークで、GPU・CPU・電源供給の安定性を確認する。
    負荷の高いタイトルでの動作安定性を測ることで、経年劣化の有無を厳密に評価する。

    10ヶ月前と現在の比較

    • 10ヶ月前

    グラフィック設定:標準品質 1920 × 1080
    スコア:3894
    評価:普通

    • 現在

    グラフィック設定:標準品質 1920 × 1080
    スコア:3915
    評価:普通

    評価はともに「普通」の結果。スコアも誤差の範囲。


    STREET FIGHTER 6 ベンチマーク ― 最新世代ゲーム対応力

    検証目的

    最新のグラフィックAPI(DirectX 12)を利用したタイトルで、近年のゲーム動作適性と最適化の持続性を確認する。
    軽快なアクション系ゲームにおけるフレーム安定性を測る。

    10ヶ月前と現在の比較

    • 10ヶ月前

    グラフィック:LOW 1920 × 1080
    スコア:93 快適にプレイできます

    • 現在

    グラフィック:LOW 1920 × 1080
    スコア:100 快適にプレイできます

    現在の方が多少スコア高くなった。この結果から劣化は無いと言えるだろう。


    全体のまとめ

    10ヶ月の使用を経ても、MINISFORUM UM870 Slimは各ベンチマークにおいてスコアの低下は一切なし
    むしろ最新ドライバ適用やWindows更新により、初期よりわずかに改善した項目もあった。
    つまりこのモデルは、

    「コンパクトPC=劣化が早い」という一般的なイメージを覆す結果となった!!

    冷却設計や電源回路の安定性が非常に優れており、「性能を長期間維持できるミニPC」として十分信頼できる結果となった。


    まとめ

    各イメージで表現した比較結果を概要でまとめると下記の通りとなる。

    検証項目主な確認目的結果概要
    CINEBENCH R23CPU性能維持確認変化なし
    PassMark/3DMarkGPU描画性能の安定性変化なし
    CrystalDiskMarkSSD速度低下の有無誤差の範囲の変化
    WebGL Aquarium軽負荷描画の滑らかさ変化なし
    DQXベンチマーク軽量3Dタイトル動作確認若干スコア減
    FFXVベンチマーク重量級タイトルでの安定性誤差の範囲の変化
    SF6ベンチマーク最新ゲーム適性の持続性多少スコア増

    結論

    MINISFORUM UM870 Slimは、10ヶ月の常用を経ても性能劣化がまったく見られなかった。
    小型PCながら冷却設計と品質の高さが際立ち、「長く使えるミニPC」として胸を張っておすすめできる。

    ミニPCを購入しようとしている人、ソコソコ高スペックのミニPCを求める人は、是非今回再検証をした MINISFORUM UM870 Slim もしくは、同メーカーのミニPCを検討してみて欲しい。

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