広告ビジネスがあらゆるメディアに蔓延する現代。ネット上のブログ記事やニュースサイトも例外ではなく、スクロールするたびに目に入るのは広告で溢れている。かくいう私も本ブログではGoogle Adsenceを利用し、自動広告を掲載するようにしている。矛盾を承知で本記事を記載する。
広告は、閲覧者の関心に沿った内容であれば許容範囲。しかし、興味ゼロの内容や悪質なコンテンツを含む広告に繰り返し晒されるのは、利用者にとって何一つ利点の無いこと。
今回は、iPhoneユーザー限定ではあるものの、「広告を非表示にして記事を快適に読む方法」を無料で・即実践できる方法として紹介する。しかも、Safariの標準機能を活用するだけという手軽さだ。気になる人は是非読み進めて欲しい。
広告のブロック方法と実態
iPhoneやiPadに標準搭載されているSafariには「コンテンツブロッカー」という仕組みがあり、専用のアプリを使えば広告の多くを自動で非表示にできる。
代表的なコンテンツブロッカーアプリ:
- 280blocker(有料):日本製、国内サイトに強い
- AdGuard(無料/有料版あり):海外製、細かいカスタマイズ可能
- Wipr(有料):設定不要で軽快な動作が魅力
ただし、これらでも一部の広告(特にYouTubeアプリ内広告や一部インライン広告)は除去できないことがある。これはAppleのセキュリティポリシーやアプリサンドボックス仕様の影響で、完全にブロックするのが技術的に難しいからだ。
Braveブラウザという選択肢
広告ブロックに特化したブラウザ「Brave」も選択肢の一つ。初期設定のままで多くの広告を遮断し、読み込み速度も速い。しかし、Safariと比べるとOSとの統合性は低く、iCloudキーチェーンやHandoffとの相性は今ひとつ。
結論:どれも万能ではない。
だからこそ紹介したいのが、iOS標準の「Safariリーダー表示」だ。
iPhoneやMACユーザーであれば、設定の変更だけで出来る為、まずは試してみて欲しい。
Safariのリーダー表示とは?
Safariブラウザに搭載されている「リーダー表示」機能を使うと、ウェブページの記事コンテンツだけを抽出して、文章のみを快適に読むことが出来る。
- 広告やバナーを非表示にできる
- フォントサイズや背景色を変更できる
- 読みやすいレイアウトに自動変換される
- テキスト音声読み上げにも対応
記事が多く、広告を表示しやすいニュースサイトやブログページでその効果は絶大である。広告を付けているブログの管理人が言うことではないが、正直読みやすさが段違い。
リーダー表示の使い方(iPhone/iPad 編)
1. Safariで記事ページを開く
Safariで読みたいページ・記事を開く。
ニュースサイト、ブログなどのトップページでは適用されないので、まずは特定の記事で試してみることをお勧めする。
2. アドレスバー左の「ぁあ」 or 「拡張機能」ボタンをタップ
アドレスバー(URLが表示されている部分)の左にある「ぁあ」もしくは、下記イメージの「拡張機能」ボタンをタップすると、メニューが表示される。
3. 「リーダーを表示」を選択
「・・・」(三点リーダー)を押下する。

「ページメニュー」が表示されるので、「自動的にリーダーを使用」を有効にする。
これにより、設定をしたサイトを表示する際は、記事本文だけがスッキリとしたレイアウトになる。
私の【2025年4月最新版】iPhone・iPad 等のデバイスで簡単にテレビを視聴する方法【VLC】の記事を見比べたイメージを下記に載せる。
リーダー使用前(画面上部と記事内に広告表示)
リーダー使用後(文字主体のレイアウトに変わり、画面上部の広告表示がなくなった)
使用前の文中広告(画面の半分を広告が占める)

使用後の文中広告(文章と必要なイメージだけが表示)

本来のニュース記事・ブログ記事のあるべき姿に変わったと言って良い。いかに普段から広告が利用者が得る情報を濁しているかがわかると思う。しかし、それでも私は広告設定を付けさせてもらう。毎月のサーバー維持費くらいは稼がせてもらいたいのである。
広告が完全になくなるのであれば、「リーダー表示」にしない理由はないのでは?と思うところだ。しかし、「リーダー表示」はあくまでも読むことに特化したレイアウトになるため、記事のイメージ自体も簡素化され色味や個性が無くなる。逆に読みにくくなる場合もあるので、どのサイトに適用するかを取捨選択して設定していく方が良いだろう。
PC(Mac)版Safariでも使える?
本件はSafariの機能になるため、もちろんMac版Safariでも同様の機能が利用できる。
私自身がMacを利用していないので、確認はしていないが、調べる限りは
・アドレスバー左の「リーダー表示」アイコン(小さな四本線)をクリック
・または Command + Shift + R のショートカットで即リーダー表示に切り替え可能
ということだ。macOS Sonoma(2024年リリース)でも引き続き対応しているようである。
注意点:リーダー表示できないページもある
Safariの「リーダー表示」は、すべてのページが対象ではない。
例えば、
- トップページ(記事が複数あるページ)
- JavaScript主体の特殊なページ
(ゲーム、ダッシュボード、複雑なアニメーション、3Dグラフィックス、Webアプリ など) - 動画メインのコンテンツ
- ログインが必要な会員制ページ
こうしたページでは「リーダーを表示」が出てこない場合がある。「リーダー表示」が使えるかどうかはSafariが自動判定するため、「使えないな」と感じたら他の方法と併用すると良い。
まとめ:こんな人におすすめ
リーダー表示機能は以下のような人に特におすすめだ
- 広告にイライラしている人
→ ページを開くだけで広告が飛び出してくるのが苦痛な人には最高の処方箋。 - 長文コンテンツを集中して読みたい人
→ ブログ、コラム、レビューなど、文字中心の記事を読むのが日課の人に最適。 - データ通信量を節約したい人
→ 広告非表示によってページの読み込みが軽くなり、通信量の節約にもなる。 - 視覚的な負担を減らしたい人
→ 自分好みの文字サイズ・配色に変更できるため、目に優しい。 - 音声読み上げを活用したい人
→ 視覚障がいのある方、ながら読みしたい方にも便利。
広告の存在がWEBの無料コンテンツを支えていることは事実。しかしそのバランスが崩れ、「情報」より「広告」が主役になっているサイトが増えているのも現実だ。
そんな時こそ「リーダー表示」!!
Apple・Safariが提供するこのシンプルかつ強力な機能を使うことで、ストレスフリーなネット体験が手に入るはず。
ブロガーとしては、読者が広告を見てくれることで収益が発生し、記事を書き続けるモチベーションにもなる。だが、それ以上に「読まれる体験の質」も重要だと感じている。情報を読む楽しさを取り戻すために、まずは一度試してみてほしい。
それでは、良き「広告に振り回されないインターネット体験」を!!