多くの業務や日常生活でPDF形式のファイルが広く使用されるようになった。PDFは文書のレイアウトを保持し、デバイスや環境に依存せずに閲覧や共有ができることや、受け取った利用者が改ざんできないことを理由に多くのシーンで活用されている。一方、PDFファイルを閲覧するだけでなく、編集や注釈の追加、署名の挿入、データの抽出など、目的によってはより高度な操作を求められることも増えてきている。
本記事では、PDFファイルを簡単かつ効率的に操作できるビューワーおよび編集ソフトとして「MiniTool PDF Editor 2.0」を紹介する。初心者から上級者まで、ニーズに応じたさまざまな機能を持つソフトである。無料で利用可能なソフト・ツールに限界を感じている人は、是非参考にして欲しい。
MiniTool PDF Editor 2.0 とは
PDFファイルの変換・結合・分割・圧縮・だけではなく、テキストや画像の挿入や編集・削除まで行うことが可能なPDF編集ソフトである。無料でダウンロードが可能で、7日間はトライアル期間として有償版の機能が全て利用可能となっている。しかもユーザー登録やクレジットカード登録など一切不要で利用開始が出来るので、試したいと思った時に気軽に利用出来る嬉しいソフトである。
主な機能は下記の通りとなる。無償版は「〇」が付いている機能に限られる。有償版で力を発揮するソフトだと思ってもらいたい。
以降で各機能に関して、イメージを交えて使い勝手をレビューする。
ビューワー機能
無料版で提供される閲覧・回転・テキスト検索に目新しい特徴はないが、「Adobe Acrobat Reader」と比較した限りではファイル起動が早い印象。容量6MBほどのファイルの起動を比較した動画が下記となる。
MiniTool PDF Editor 2.0 : 一瞬で起動
Adobe Acrobat Reader : ワンクッション間があいて起動
という結果がわかると思う。
テキスト翻訳
テキスト翻訳機能はかなり精度が高い。TRIVECTOR社のホームページに記載あるサンプル文をPDF化し「クイック翻訳」を実施してみた。「新聞には興味が無い記事もあるが、それも含めた代金を払わなければならない」というニュアンスが翻訳されればOK。結果が下記となる。
十分理解できる内容に翻訳されている。これなら英字論文等も気軽に確認出来るかもしれない。クイック翻訳便利である。
挿入機能
文章を強調・テキスト挿入・文字の削除等のPDFファイルのページに編集を可能とする機能である。
本ブログに掲載しているある記事をPDF化したファイルに対して、挿入機能で編集試みた。
元となる記事のPDFが下記。
MiniTool PDF Editor 2.0の編集機能には下記アイコンの機能が搭載されている。「テキスト挿入」・「テキスト編集」・「背景変更」等、色々と弄ってみた。
色々と弄った結果が下記。
サムネの画像ファイルを逆さまに・余白にテキストを挿入・文字の協調でハイライトを付与・テキストの中身を書き換え・背景色を変更 など、アリとあらゆる編集が可能だった。PDFファイルをWord・PowerPoint感覚で編集できると思ってもらえるとわかりやすいだろう。
変換機能
PDFファイルをWord・PowerPoint・Excelに変換可能な機能。また、文字を含む被写体を写真撮影したイメージデータをPDF化・テキスト化し、検索可能にすることも可能。PDF化したファイル使って機能を確認してみた。
「変換」タブの中に、PDFをどのファイルに変換するかを選べる機能が最初からアイコン化されている。
PDFからWORDに変換
下記のように変換を指示する小画面が表示されるので、「開始」を押下すれば簡単に変換されたファイルが出来上がる(Wordに限らず全ての変換が同じUIである)
アイコンのボタンを押すだけでWordファイルに変換された。画像ファイルは画像の挿入扱いになっているし、文字はテキスト扱いになっている。PDFファイルを元にWordで資料を再作成することが容易である。
PDFからExcelに変換
ブログ記事のような形式のPDFだと、Excel変換は段落単にセルが出来上がるようなイメージになる。
上記は例が悪かったが、元がExcelで作成したようなPDFファイルであれば綺麗に変換される。
下記のような表をPDF化したファイルをExcelにしてみた。
結果は下記のイメージ通り、完璧に変換された。MiniTool PDF Editor 2.0すごすぎる。
ページ編集機能
ページの結合や分割という既存ページの表現方法を変更する機能や、追加・置き換え・削除といったファイル内をページ単位に編集する機能を有している。
全く別ファイルのページを挿入
下記イメージの2ページ目と3ページ目の間に、先ほどPDFからExcel変換で使った表のPDFを挿入してみる。
挿入アイコンを押下し、どこのページの後ろに位置させるかを決める。下記イメージは2ページ目の後ろを指定している。
3ページ目に挿入した結果
3ページ目にしっかりと挿入されている。これなら元ファイルがPDFであっても、補足資料の挿入などが容易に可能となる。
パスワード機能
ファイルの保護はパスワードだけではなく、資料に対する保護も抜群である。
パスワードの他に、「署名を挿入」・「透かしを貼り付け」の機能が使える。
下記イメージの左半分にある通り、パスワードの設定は超簡単。右半分はPDF右下に「賢いサラリーマン生活」の署名を挿入。資料全体に透かしで「賢いサラリーマン生活」を斜めに入れてみた。
資料や著作権の保護の自衛に使える。
以上が MiniTool PDF Editor 2.0 の主な機能紹介となる。Officeソフトのような感覚で直感的に利用できる。冒頭に記載した通り、7日間はトライアル期間として有償版の機能が全て利用可能となっている。しかもユーザー登録やクレジットカード登録など一切不要で利用開始が出来る。試してみたい人は、下記のインストール方法を確認して欲しい。
インストール方法
下記リンクからソフトウェアをダウンロード
インストールした pdfeditor.exe ファイルを実行し、インストーラーを起動、「Install Now」を押下
インストールは非常に早く、数分も掛からず完了する。
「Strat Now」を押下で初回起動となる。
初回起動時、トライアルが7日間であること、有料版への誘導がある。まず試してみる場合は、「Active」を選択して進める。
続けて、既定のプログラムの変更を案内してくれるので、変更しても良い人は、プロパティの「ファイルの種類」から変更を行う。
日本語化
インストール・起動時は言語設定が英語化されているので、日本語化したい場合は下記手順で行う。
画面左上の▼マークを押下し、メニューツリーを表示し、「Setting」を押下
General を選び、Display Language の欄に「English」と記載ある箇所を押下し、「日本語」を選択、「Apply」押下、確認小画面で「OK」押下で設定完了となる。
日本語化が反映すると、下記イメージの表現に変わる。日本語化された文字に違和感も無く、直感的に利用が可能だ。
使い勝手の良さ同様、インストールや日本語化にも難しいことはないため、試してみるハードルが非常に低い良いソフトである。
MiniTool PDF Editor 2.0 の 総評
PDFの編集ソフトとしては「Adobe Acrobat 」が有名どころであるが、「MiniTool PDF Editor 2.0」は引けを取らない機能と使いやすさを備えている。そして、有料版の値段が圧倒的に安価であることも、評価できる部分である。
- MiniTool PDF Editor 2.0:69ドル (約10,000円)、永久プランであれば99ドル(約15,000円)
- Acrobat Pro:23,760 円/年
となっており、Acrobatの年額以下で永年利用出来てしまう。
無料で利用可能なビューワーだけの機能でも、起動速度や使いやすは「MiniTool PDF Editor 2.0」が優秀と感じる。やはり慣れ親しんだOfficeソフトっぽいUIはわかりやすい。
この記事で良さを感じてもらったり、興味を持ってくれた人は、是非7日間の無料体験を行ってみて欲しい。使い始めたらもうAcrobatには戻れないと思う!!
それでは、良きPDF編集ソフト利用生活を!!