低価格ながら高音質・高機能なイヤホンをリリースし続ける「SOUNDPEATS」製品の「SOUNDPEATS Opera 05」のレビューを行う。クラウドファンディングサイト 「Makuake」歴代応援購入ランキングにてイヤホン部門TOP10入りを達成した逸品。とにかく音質に全振りしたワイヤレスイヤホン という異名を持つ製品の実力は本物だった。
SOUNDPEATSとは
SOUNDPEATS(サウンドピーツ)は、2010年に中国 深センで創立されたオーディオブランド。「Sound for Urban Sports」をブランドコンセプトに掲げ、すべてのユーザーにより豊かな体験をお届けし、オーディオやデジタルガジェットの分野に新たなトレンドを巻き起こすべく、全力を尽くしているとのこと。
高品質・高機能なBluetoothイヤホンを次々とリリースしており、下記イメージの通りここ数年で数々のVGP受賞を獲得している。(VGPは1987年にスタートした国内最大級を誇るオーディオビジュアル機器の総合アワードのこと)
今回レビューする「SOUNDPEATS Opera 05」は「VGP 2023 SUMMER」金賞を受賞した逸品。もはや期待しかない!!以降で概要と利用・検証した結果を記載する。
SOUNDPEATS Opera 05 とは
製品の主な特徴は下記4点
- ハイブリッド構成ドライバー搭載(バランスド・アーマチュア型が2基、ダイナミック型を1基)
- ハイレゾ音源を伝送できるLDACコーデックに対応
- 専用アプリ「SOUNDPEATS」でイコライザー調整可能
- ANC(アクティブノイズキャンセリング)とENC(環境ノイズキャンセリング)機能
ドライバーを3基搭載していることが、価格1万円付近の他ワイヤレスイヤホンには無い革新ポイントである。
通常時は13,999円であるが、セールタイミングを狙えば12,000円を切る時タイミングもある。後述するが 「ハイブリッド構成ドライバー搭載」+「LDACコーデック」により出力される音質は、2~3万のワイヤレスイヤホンと比べても遜色ない。
LDAC対応のスマホ・音楽プレイヤー(DAP)を利用している人はもちろん、iPhone(AACコーデック)利用者であっても音質の良さを実感出来る逸品となる。以降で詳細をレビューする。
SOUNDPEATS Opera 05 の外観
簡単にだが外観のイメージを載せていく。参考にイヤホンの形が同一形状のGoogle Pixel Buds Pro との比較イメージも掲載する。
パッケージ・ケース・本体と付属品一式
ケース・本体・充電用USB-Cケーブル・交換用イヤーピース・取り扱い説明書類という内容。
ケース・本体のイメージ
ブラック×ゴールドというゴージャスなカラーリングである。このカラーリングは装着時に目を引く。形状はうどん型とは異なり丸型となっている。イヤホン本体のサイズは大きめだ。
Google Pixel Buds Proと横並びにしたイメージ
やはりイヤホン本体が一回り大きいことがわかる。ハイブリッド構成で3基のドライバーを積んでいる為、サイズが大きくなるのはしょうがないことなのだろう。
装着時のイメージ
SOUNDPEATS Opera 05 の装着イメージ
丸型なのにこの存在感!!ちょっと大きいなという感じは否めないが、フィット感は悪くない。イヤーピースの大きさが合わないとズレ落ちることがあるので、最適なサイズをまずはチョイスする必要がある。私自身、普段は中くらいのサイズのイヤーピースを利用するが、SOUNDPEATS Opera 05は大きめを利用した。
Google Pixel Buds Pro の装着イメージ
耳穴にすっぽり埋まるサイズ感。SOUNDPEATS Opera 05が一般的なサイズ感よりやはり大きいことがわかる比較である。
ハイブリッド構成ドライバー搭載
「SOUNDPEATS Opera 05」は、12mmの大口径ダイナミック型ドライバー1基と、バランスド・アーマチュア(BA)型ドライバー2基、合計3基を搭載したハイブリッド構成となってる。
迫力の重低音を大口径ダイナミック型ドライバーで表現し、繊細で細かい高音はバランスド・アーマチュア(BA)型ドライバーが役割を担うとい構成である。
スペック的に申し分のないハイブリッド構成だが、実は私が最初に利用したとき、「この程度の音なのか?」と感じてしまうほど音にまとまりが無かった。しかし、10時間程聞き続けたところで、最初の印象とはまた違った音に変化していた。これがエージング効果というものであると実感した。
エージングに関しては明確な根拠は無いが、SOUNDPEATS Opera 05はハイブリッド構成故にイヤホンにある振動版の馴染みが音質に変化をもたらすのかもしれないと感じた。結果として意図的に30時間程大きめの音量で音楽を流し続けるエージングを実施したところ、バランスの取れた迫力のある音に激変した。SOUNDPEATS Opera 05はエージング必須。
LDAC接続時の実力
Bluetooth標準の接続コーデックの「SBC」と「LDAC」ではデータ転送レートが3倍違ってくる。それだけ原音に近い音を再現できるのがLDACである。SOUNDPEATS Opera 05はそんな高品質コーデックのLDACに対応している。
SOUNDPEATS Opera 05の音質を言葉で表現するならば、「こもることなく響く重低音」・「解像度が高く、音を拾いまくる中高域」といった具合だ。他イヤホンではかすかに聞こえていたレベルの音が、音量が上がった訳ではないのにはっきり聞こえるようになると思ってもらえるとわかりやすいかもしれない。
しかし、言葉での表現では情報に限界があるため、疑似環境で録音した実際の音を載せるので参考にして欲しい。比較対象として3つの音源を載せる。
- 「SOUNDPEATS Opera 05」& LDAC接続
- 「Google Pixel Buds Pro」 & SBC接続
- 「SOUNDPEATS Opera 05」& AAC接続(iPhone)
各疑似環境の音を聴き比べて欲しい。音源はSONYが公開している「お試し用ハイレゾ音源」を使用した。
①「SOUNDPEATS Opera 05」& LDAC接続
実際に聞くよりも録音の音源の方が若干低音が弱くなってしまったが、全ての音がしっかりと聞こえることが理解してもらえたら幸い。
②「Google Pixel Buds Pro」 & SBC接続
聴こえる音の数が①と比べて少ないことがわかる。ある意味聴きやすいとも言えるのだが、原音の再限度が完ぺきではないことがわかる。
③「SOUNDPEATS Opera 05」& AAC接続(iPhone)
全ての音を聞くことは出来るが、全体的に音が軽い感じになっている。しかし、一つ一つの音は綺麗に聴こえる。
スペック通り、ハイレゾ音源を再現可能な ①「SOUNDPEATS Opera 05」& LDAC接続 は非常に良い音質だった。しかし、③「SOUNDPEATS Opera 05」& AAC接続(iPhone) も決して悪くない音質を実現している為、iPhoneユーザーも恩恵を受けることが出来るワイヤレスイヤホンだと思ってもらいたい。
専用アプリでのイコライザー調整
SOUNDPEATS Opera 05は、「SOUNDPEATSアプリ」を利用することでイコライザー調整が可能。プリセットが9種類搭載。個別調整も可能。また、自分の耳に最適なイコライザー設定を作ってくれる「アダプティプイコライザー」機能も搭載されているので、幅広い選択肢から好みの設定を選べる。
フラットな音に近い状態で聴きたい人は、プリセットの「SOUNDPEATSクラシック」を選択しておけば間違いはない。
ANC(アクティブノイズキャンセリング)の実力
環境に合わせて自動でノイズを除去してくれるANC(アクティブノイズキャンセリング)を搭載している。ノイズの削減は約-30dBとなっており、数値としては控えめな値だ。(-40dB以上を謡う製品が世の中には多く出回っている)
ただ、ノイズキャンセル具合に関しては好みが別れるので何とも言えないが、-30dBで私は不便なかった。なぜなら、移動中での利用が多いため、外部の音が完全に遮断されるのは危険だし不便だからである。
SOUNDPEATS Opera 05は音楽を聴きながらであれば、周りの雑音が気にならない程度までしっかりノイズを打ち消してくれている。もちろん普段の生活でも不快に思うような大きな音や、高めの音は消し切れていないところがあるのは事実。その為、ノイズキャンセリング命の人には機能不足と言えるかもしれない。
ENC(環境ノイズキャンセリング)の実力
通話時等のノイズを軽減するENC(環境ノイズキャンセリング)は-50dB低減と非常に高い性能を有している。しかし、カタログスペックだけでは判断できないところもあるので、騒音環境での録音にてその実力を確認してみた。
騒音環境化でノイズキャンセリング無しの録音
音声と同時に騒音も大きく拾っていることがわかる。
騒音環境化でSOUNDPEATS Opera 05の録音
騒音を若干カットしているが、音声が機械的になってしまっている。また、声がこもってしまった感もある。普段使いには問題が無い程度だが、過剰な期待はしない方が良い。
SOUNDPEATS Opera 05 は相場の半額で変える超高音質ワイヤレスイヤホン
SOUNDPEATS Opera 05は、ハイブリッド構成ドライバーを搭載し、LDACコーデックにも対応することで、値段以上の音質を実現していると評価出来る逸品。また、LDAC接続ではなく、iPhoneのAAC接続でも音域・範囲の表現が良く高音質・大迫力を実現している。
ワイヤレス充電・マルチポイント接続というような「あれば便利な機能」が無いことは欠点ではあるが、それらをそぎ落とすことで超高音質を低価格で実現していると思えば納得できる。
ワイヤレスイヤホンで高音質・大迫力な音楽を聴きたい人にとって、無視できない逸品であることは紛れもない事実。安全パイで日本メーカーの高額な製品を選び続けている人にこそお勧めしたい。少し視点を変えて試してみるのが面白いことを実感させてくれるワイヤレスイヤホンである。
通常価格13,999円はもはや狂った価格設定。もっとブランド・製品の名前がメジャーになったら、日本メーカー勝てないかもしれない。。。
それでは、良きワイヤレスイヤホン生活を!!